ガンマトガンマトアドベントカレンダー315ふとんの抜け殻
ぽっかりと空いた穴を見つめる。布団はそこに寝ていた主人の形を残していた。マトリフは器用に布団から抜け出したらしい。
部屋は暖炉の火のおかげで充分に暖まっている。外は荒れた天気だが、それを全く感じさせなかった。
さて本人はどこへ行ったのだろうとガンガディアはあたりを見渡す。昨夜は一緒に寝なかったために、その姿を見ていない。ガンガディアの部屋はその体のサイズに合わせてあるので広い。マトリフ一人が身を隠そうと思えばその場所は沢山あった。
「大魔道士」
ガンガディアは極力優しい声音で言った。寝起きのマトリフは機嫌がよろしくない。無駄に刺激しないに限る。だがその姿が何処にあるかだけは確認しておかねばならなかった。
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