【まおしゅう2展示】絶対に見つかってはいけないものを消滅させる話 マトリフは見つけた箱を手にして首を傾げた。マトリフの洞窟には雑多な物が溢れている。散らかったそれらを片付けようと気まぐれを起こしたはいいものの、中には持ち主のマトリフでさえ不可解な物も紛れていた。
マトリフが手にしたのは細長い箱である。ちょうど輝きの杖が入るほどの大きさだ。随分と重く、やけに頑丈な木箱で、厳重に封がされている。中身が思い出せなくてマトリフは記憶を辿った。だが思い出せない。
ならば見たほうが早かろうと封を解く。木箱の蓋をぱかりと開ければ、そこに鎮座したものが目に入った。
「やべ……」
マトリフは即座に蓋をした。そしてさっき剥がした封をきっちりと巻き付ける。中に入っていた物は、確かにマトリフが過去に使っていた物だ。だがあまりの威力に、使うのを止めて仕舞い込んでいた。
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