ガンマトアドベントカレンダー11恋の物語
これは恋の物語だ。誰に語り聞かせるわけでもないが。
はじめてマトリフに出会ったとき、その鮮やかな魔法は私の世界を変えてしまった。
二度目に会ったとき、その存在にどうしようもなく憧れた。それから私はいつもマトリフのことを考えていた。その魔法と知恵は、私が欲して止まないものだった。
三度目に会ったとき、私は勝利を確信した。この拳があの小さな体の骨を砕く感触がわかった。ようやく勝てると思うと、どこか惜しい気がした。
するとマトリフは血を流しながら、私を褒めた。それは今まで生きてきた中で、一番の喜びだった。
私は魔王を探す中で、少しの期間をマトリフと過ごした。マトリフは決して魔王の居場所を言わなかったが、その少しの停戦が、その後の私たちを変えるきっかけとなった。
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