スイカの上手な割り方について「もうちょい左……あと半歩」
マトリフはスイカを見ながら指示を出す。ガンガディアは目隠しをして棍棒を持っていた。
ここは世界一平和な世界の砂浜。全ての怨恨を忘れ去り、みんながスイカ割りに興じていた。新旧勇者一行、新旧魔王軍が一堂に会しており、どのペアが一番上手くスイカを割れるかと競い合っていた。今はガンガディアとマトリフのペアである。揃いの海水パンツを履いた二人はスイカを狙っていた。
「アレって狡くねえか?」
ガンガディアとマトリフのスイカ割りを見て不満を言ったのはポップだった。ポップは自分が知るよりも若いマトリフを見上げている。というのも、マトリフはガンガディアの肩に乗り、いわゆる肩車をしていた。そして操縦桿でも握るようにガンガディアの耳を持っている。そしてそこから適切な指示を出しているのだ。
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