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    WA_SAB1

    DBH沼に生息するコナー推しの薬味。
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    WA_SAB1

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    平和なDPD。時間軸はデモ成功√から一年後のクリスマス(のつもり)。コナーは普通にDPDで働いているし、しれっと900もいます。

    #DBH
    #ハンコナ
    hankona.
    #コナハン
    konahan

    君に幸あれ「これよりパーティーを開催する!クリスマスに出勤してくれたお前たちへ私からのささやかなプレゼントだ。」
    コナーとナインが豪華な料理や大量のお菓子を運び込んできた。アンドロイド用にブルーブラッドまで準備されている。フロアの彼方此方で拍手が起こり歓声が上がった。両サイドにRK兄弟を従え叫ぶジェフリーはさながらマフィアのボスだ。
    「ただし、参加者にはこれを身に着けてもらう。」
    各々にプレゼントと思わしき物が配られた。ハンクに渡されたのは青いリボン付きの紙袋。周囲を見渡すと開封済みのプレゼントに苦い顔をする者、大笑いしている者など反応は様々だ。意を決して中身を確認するとスカイブルーのド派手なセーターが鎮座していた。アグリー・クリスマス・セーター。通称ダサセーター。お世辞にも可愛いとは言い難いスモウの似顔絵?を歪な形の雪だるまが取り囲んでいる。明らかに既製品ではないそれに袖を通すと意外にも着心地は良かった。
    「「「メリークリスマス!!」」」
    乾杯用に配られたジュース片手に、我先に御馳走へ群がるカラフルな集団を後ろから眺める。こんな穏やかなクリスマスは久しぶりだ。
    「良く似合ってるじゃないか。」
    「そりゃどうも。日頃のストレス発散か?」
    「毎日お前たちの尻拭いしてやってるんだ。たまには楽しませてくれてもいいだろ?」
    ニヤリと笑うジェフリーの胸元にはゴールドに煌めく《I'm BOSS》の文字。普段は厳格な男のお茶目な悪戯にとうとう我慢できず噴き出した。
    「またこんな風にクリスマスが迎えられるとは思ってなかったな…」
    コールが居なくなってから廃人同然の生活を送ってきた。御馳走やプレゼントに目を輝かせるコールを思い出し胸が詰まる。苦しんで亡くなった息子を差し置いて楽しんでもいいのだろうか。
    「お前が戻ってきてくれて嬉しいよ。ここにいる奴等は皆お前の家族みたいなもんだ。イベントは家族で楽しむべきだろ?」
    「家族、か…」
    察しが良すぎる彼には自分が何を考えているかなんてお見通しのようだ。上司であり戦友でありライバルでもある親友。不祥事を起こす部下を見捨てず、警部補の席を守り続けてくれたジェフリーには感謝しかない。
    「ハンク、そろそろ自分の為に生きてもいいんじゃないか?」
    「……。」
    「生きていると大切なモノは増えていく。お前も分かっているはずだろ?これからはコールが出来なかったことをお前がやるんだ。コールの分も笑え、楽しめ。そして精一杯愛してやれ!」
    “愛す”思い浮かんだ人物にハッとし顔を上げる。優しく微笑むジェフリーが頷いた。
    「ハンクッ!!」
    愛おしい大声がフロアに響く。
    「ほら、行ってこい!」
    トンッと背中を押され一歩踏み出す。まだまだ頼り無い足取りではあるが、真っ直ぐアンドロイドに向かって。
    「ハンク!早くしないとリード刑事が全部食べちゃいますよ!?」
    「んなもん早い者勝ちだ!テメェは食えねぇだろうが!それ寄越せ!」
    「これはハンクの分です!」
    ローストビーフの取り合いをしている相棒と部下に苦笑した。そろそろ宥めないと掴み合いになりそうだ。
    「お前らその辺にしとけ。」
    「げっ、ペアルックとかマジかよ!?」
    「僕の力作ですが何か!?因みにリード刑事のセーターは可愛い弟ナイン作です。有り難く思え!」
    やはり既製品ではなかった。自分とお揃いのセーターのコナーと猫が散りばめられた真っ赤なセーターのキャビンが睨み合う。完全に子供の喧嘩だ。ダサセーターがそれを助長している。
    「コレか?羨ましいだろ?愛しのハニーが編んでくれた自慢のセーターだよ。」
    「ハンク!?」
    コナーの肩を抱き額にキスを贈る。ギャビンは目を白黒させているし、肝心のコナーは処理が追いつかないのかLEDをチカチカ点滅させフリーズしている。してやったり。
    「おい、まさか本気じゃ…」
    「さぁな。皆、ギャビンが寂しがってるぞ!背中の文字通り構ってやってくれ!」
    「何?背中?」
    音も無く現れたナインが皿を取り上げ、ギャビンを正面から抱き締めた。流石最新鋭。暴れる子猫を制圧するなんてお手の物だ。それに続き「俺も!」「私も!」と同僚たちがギャビンを取り囲む。
    「やめろ!お前ら何考えてんだ!」
    「背中に《Free hugs》って書かれてるぞ。」
    「はぁ!?」
    「ファウラー警部の指示通り編みました。」
    流石のギャビンも現役刑事複数には敵うはずも無く壁際に追い詰められた。
    「「「大人しく抱かれろ!」」」

    「あの…ハンク、先程の言動の真意を確認したいのですが…」
    やっと現実に戻ってきたコナーは忙しなく手を擦り合わせている。子犬のように此方を伺う上目遣いとほんのり紅く染まった頬が最高に可愛い。
    「二人っきりの時に教えてやる。」
    耳元で囁やき、今度は頬にキスを贈った。



    「不参加だったお前達にいいものを見せてやる。」
    上司の端末を覗き込んだベンとクリスは思わず顔を見合わせる。
    モニターにはコナーの肩を抱きキスを贈るハンクの後ろ姿。お揃いのスカイブルーの背中が寄り添い大きなハートが出来ていた。
    「良い写真だ!」
    「そうですね!この写真頂いてもいいですか?」
    後にこの写真が恋愛成就のラッキーアイテムとしてDPD内で出回ることになるのを二人は知らない。

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