また明日で終わる今日早く終わらせたかった。
だから手を挙げた。
新学期は決めることがたくさんあり、その度にクラスは水を打ったように静かになる。
今日は委員決めだった。
図書委員、放送委員、風紀委員…単にやってみたいか、引き受けることで自分に利がある人間が次々に手を挙げ、存外スムーズに決まっていったが、緑化委員は最後まで人が決まらなかった。
我が校の敷地には緑が多く、校門を入ってすぐの場所に大きな花壇があり、校庭にはプランターが等間隔で置かれ、さらには温室もあるらしい。
もちろんこれらを管理する人間はいるが、これらの維持に関わらせられることは想像に難くない。
つまりは面倒な委員会という印象が強いのだ。
石像のようになったクラスメイトを尻目に手を挙げると、自分に刺さる、石像たちからの視線。
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