今日も今日とて悪人が静かな夜の街を歩いている。
二人の若者の後ろをつけている。
曲がり角で二人を見失う。
上から声。
「きめえンだよストーカー野郎」
「この作戦決めたの君じゃないか」
「うるせえ、とっとと終わらすぞ」
「はいはい」
視線すら向けずにBが差し出した手をDが重ねてDの姿が変わる。
雲が途切れて月明かりが照らす。
視力の良い悪人はBが持っているのは1本の木の枝と知る。
死武専の職人と武器だと身構えていた悪人は内心で馬鹿にした。
次の瞬間BOOMと爆発音と共に銀色が一閃。
「任務完了」
「まだだよ。魂の回収しなきゃ」
悪人が振り向くと、背を見せているBが地面にカットラスを突き刺している。
その持ち手からは煙が立ち昇っていた。
「ならキッチリ食いコロせデク」
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