ロマネスク「ふっしぐろー!部活行くぞ部活!」
「うっせーな、そんなでかい声出さなくても聞こえる。」
授業終わりのチャイムが鳴った途端、勢いよく立ち上がる。先生の声を聞きながら居眠りをして目覚めたところだから元気もいっぱいだ。今日もたくさん練習するぞ!
通学カバンに教科書やらノートやらを詰め込んで時間のかかってる伏黒を急かして、俺たちは音楽室へと急いだ。
「こんちゃーす!」
「悠仁うっせーな、ボリューム下げろ」
「真希先輩うぃっす!早くないすか?」
「2年はこの時間授業ねーんだよ。おらさっさと準備すんぞ。」
すでに窓際の席にいた真希先輩は両手に抱えていたものを立てかけて促す。準備というのは、教卓を中心に椅子を並べることで、俺たち一年生の仕事だ。無茶すんなよと伏黒に言われながら、10台の椅子を持ち上げてはどんどん置いていく。準備が早く済めば済むほど、練習する時間は増える。力仕事は得意だから他の一年が来るまでとか待たないでさっさと終わらせた。
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