願い事、ひとつ摘んだばかりの花をピアニーに差し出す。
しかし彼女は眉を下げ、悲しげな表情で花を見下ろしてはリーフに視線を向けた。
「本当にいいの?もしかしたら、誰か他に良い方法を知ってる人が居るかもしれないわ…。」
「誰にも解らなそうだから、この方法を取ったんだよ?」
「でもでも…!この方法を使えば、彼は貴方への想いの全てを無くすわ。そんなの、貴方が可哀想すぎる…!」
悪夢を晴らす花は文字通り悪夢を取り払ってくれる。
しかしただ悪夢を払うのではない。
花の雫を抽出し、そこに救いを望む相手(この場合はリーフ)の正の感情を込めて初めて効力が出る。
そして呪いを解く代償に対象は救いを込めた相手への強い感情を失う。
雫に込められた想いだけで呪いを剥がすのは難しい為、同じ感情を対象からも取り上げるのだ。
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