それは些細な出来事だった。
ブラックゴーストの気配を察知したドルフィン号はアメリカのロサンゼルスに降り立ち闇夜に暗躍する憎きブラックゴーストの末端の支部の兵士と一戦を混じえた後の事だ。
帰路への旅立ちの間各々ロサンゼルスを満喫する中、ジョーとジェットは一層賑やかなメインストリートにあるカフェに入ったらしい。
そして店員が二人の席に注文を促められ、箇条書きに筆記された文字だけのメニュー表を一通り目に通したジョーが先に注文する。
「僕は紅茶で。君は?」
「俺も同じで」
「大丈夫かい?君紅茶飲まないじゃないか」
「ああ、今日はなんだか紅茶の気分なんだ」
店内を満たす紅茶の匂いにあてられたのか、ジェットが紅茶を頼むと言ったものだから珍しい事もあるものだとジョーは差程深く考えず店員に紅茶ふたつを注文した。
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