性癖に従ったイサ。眩しくも温かい朝日で目を覚ました。
隣で安心しきったように眠る左馬刻に思わず笑みがこぼれる。
昨日、もう無理だっていう左馬刻を意識飛ばすまでぐちゃぐちゃに抱いた。泣き腫らした痕がうっすら残る頬を優しく撫でればむず痒そうに左馬刻が呻く。
俺の隣ですやすやと起きない左馬刻も、起きて多少文句は言うが本気で怒るわけではない左馬刻も、お前も飲むかよ、なんて俺の分の珈琲を淹れてくれる左馬刻も。
何だか現実離れしてるようで、でも確かにある幸せ。
とても充実してて、これを永遠に守りたいと思う。
「ん……、いちろぉ?」
休みなのに起きんのはえぇな、なんて言いながら煙草に火をつけて俺の顔をじぃっと見ながらふっと笑って
「…はよ、朝飯食べるだろ?」
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