正直、誰よりもリュウの事を意識している自覚がある。逆に意識しない方が無理だ。毎日居るからとか同じ修行をする身だからとか、そんなもんじゃない。
ふと気が付くとリュウを目で追っている。
無意識の内に追い掛けてはじっと見つめている、視線に気がついた彼が振り向くまで。
どうしたんだと気になってこちらに歩み寄ってくるのを抱き止めてそろそろ戻ろうと催促する。このまま抱きしめてキスをして肌に触れて、唇を撫でたらどんな反応をするのだろう。
最初は好奇心だと思っていたものが、徐々にリュウに対する欲が色濃くなって来ている事に気が付いていた。
自身の昂りを治める為の行為中も、頭の中に居るのはリュウだった。
普段の仕草や表情を思い浮かべるだけで息を見出しながら自分を慰めて、熱を開放する。それだけで虚しくなるような、何とも言えない感覚に陥る。
ただ純粋無垢そのものの彼を汚しているのだと思うとそれだけで十分に興奮している自分がいるのだ。
(もう、限界なんだって…事かな…。)
我慢だってしているし、普段からバレる様な事もしていないつもりだ。それが苦しい。リュウに向けている欲がそれを良しとしない。
自分の理性がジリジリと焼けて、おかしくなってしまう。これ以上はいけないと言いつける度に、押さえつける度に閉じ込めている感情そのものが溢れてしまいそうだった。
(…リュウ…。)
リュウなら
許してくれるだろうか。
受け入れてくれるだろうか。
そんな都合の良いように、考えてしまう自分が嫌になった。