は つ 恋卒業後、桐ケ谷は地元で就職し刑部が大学進学をきっかけに地元を離れてしまい疎遠になる二人。
数年後、ヤスあたりから紹介された女性と結婚することになり、親友として刑部に招待状を送る。
数日後、ポストに届いていたのは欠席の知らせと『どうか幸せに。』の一言。
何かがひっかかり刑部のスマホを鳴らすが【現在は使われておりません】という無情な音声が流れ、刑部との連絡が絶たれてしまう。
時を同じくして鬼龍会の会長が亡くなり、跡継ぎ同士の抗争が激しくなってにわかに水戸の街中も物騒になってくる。
仕事帰り、同僚と楽しく飲んで帰る途中で刑部(と山浦、その他部下)を見掛ける桐ケ谷。
数年振りに見た刑部は桐ケ谷も知らないゾッとするような笑みを浮かべていたが、桐ケ谷に気付くと一瞬だけその笑みが剥がれて素の表情になる。
しかし、桐ケ谷から逃げるように夜の街へと消えて行く刑部たち。
その背中を追おうとしたその時、婚約者からの連絡でスマホが鳴り結局見送ってしまう。
次第に抗争のあれこれが一般人として過ごしている桐ケ谷の耳にも入ってくるようになる。
血筋としては刑部が優勢だが、それゆえ古参達からは目の敵にされ一番襲撃を受けてるらしい。
居ても立ってもいられなくなり、桐ケ谷は久しぶりに塀を乗り越えて刑部宅に侵入する。
雲で月が隠れて暗い庭も、昔の記憶のおかげで難なく進み刑部のいる部屋へと辿り着く。
偶然か必然か、そのタイミングで縁側に出てきた刑部は桐ケ谷の姿を見て絶句する。
「あき、ら…」
「…よお久しぶり?」
「帰れッ!」
出会い頭いきなり否定されてカッとなり、桐ケ谷は刑部を縁側に押し倒す。
「いきなりそれはねえんじゃねーの?」
「…堅気がいていい場所ではない、と言ってる」
その言葉にハッとする桐ケ谷。
改めて、住む世界が違うことを突きつけられ呆然とする桐ケ谷を下から見上げていた刑部は、一瞬だけ泣きそうな表情になる。
しかし唇をグッと噛んで堪えると桐ケ谷の腕から抜け出し、山浦を呼んで桐ケ谷をつまみ出せと命じる。
山浦に連れられるまま門まで歩き、刑部宅を追い出される桐ケ谷。
門扉が閉じる直前、山浦は独り言のていで静かに呟く。
「あの人の隣には『友達』としてはもう立てません。背中に『羅刹』を背負ってしまったんです」
数日後、職場と婚約者の元に桐ケ谷からの手紙が届く。
『居なくなることをゆるしてほしい』
そしてその日、ケジメとして髪を短くした桐ケ谷が正面から刑部の元へ訪れた。
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と言う妄想。
ただただ婚約者ちゃんが報われないし自分でも悲しくなって来るので、プロット(?)をここに供養