生まれ変わった二人が再会したけれど、冨岡には記憶がなかった。それでも、鬼を狩っていた時代に比べれば平和な世界だ。今、想いを伝えないでどうする。――と決意した不死川は冨岡に告白する。しかし冨岡は何も覚えていない。突然よく知らない相手、それも同性からの告白だ。戸惑うことしかできない。
「すまない」と申し訳なさそうに謝る冨岡に対し、不死川は予想していたのか、さして動揺することなく「わかった」と言う。――が、「じゃあ、テメェを惚れさせたら良いんだろォ?」と言い放った。
それ以来不死川は毎日のように冨岡を口説いた。戸惑っていた冨岡だけども、毎日不死川と接する内に、自然と惹かれていく。けれど、不死川の告白を受け入れる事には躊躇ってしまう。何故ならば、彼が己を通して、違う「誰か」を見ている気がしてならないからだ。
1949