ヒペリカム(仮)その日、いつものように訪れた集会所は何やら緊迫感が漂っていて。
「お待ちしておりました。」
集会所受付のミノトの表情も普段より心持ち固い様子が見られる。ただ事ではないようだ。
佇まいを直したロイに彼女は願いを託すように言葉を口にのせた。
「百竜夜行が確認されました。ロイさん…力をお貸しください。」
里のハンターは百竜夜行の元凶であるモンスターの所に赴いているらしく、現存ハンターはロイだけということになる。何度かは参加したことはあったがそれは彼と連携して行っていたため、矢面で受けるのは初めてだ。
ギルド先遣隊の情報では遠目ではあるが率いているのはリオレウスだろうという。
この里はハンターだけではなく里の人たちも里守として皆戦いに出向く。一人ひとり自分の持ち場を確認し、武具の補充をし、そして声を掛け合っていく。調子はどう?ちゃんと飯食べたのかよ?そんな日常の言葉をお互いに肩を叩き合いながら、握手をしながら戦場で交わしていく。それはまるで生きろと、終わったらまた同じように会話をする日々に一緒に戻ろうと心を託しあっているようにみえた。
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