救い主のお茶会 幻妖界、堺ノ國。とある建物の前に立つ黒髪の人間がいた。中に入ると目の前には右目を細めて微笑む白髪の人間が1人。
「蒼空さん、お待ちしていました」
「今日はお誘いありがとうございます、紫奏さん」
初対面時、共通の話をし最後にお茶会をしないかと紫奏に誘われた蒼空。
「まさか同じ救い主とお茶会できるなんて…でもここって一反木綿の店ですよね?」
「はい。一反木綿は猫又と出掛けてるのでその間部屋をお借りすることにしました」
そう話しながらとぽとぽ、とお茶を注ぐ紫奏。そのお茶はよく見る緑色ではなく綺麗な桜色をしていた。それに花のような甘い香りが広がる。
「これは花魁ノ國で作られた花のお茶です。私達で言う紅茶ですね」
「ほぇ〜…このお茶は見たことないです」
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