滑り込みジュンブラヘミハイ「……結婚式?」
「ああ。ずっと憧れていたんだ」
「ずっと……って、あの街に居た頃からか?」
「そう、なんだが、あの頃はそんな事を言い出す余裕も無かった」
「確かにな。今なら……何とかなるか」
「しかもこの街では、丁度今月が婚礼に相応しいらしい。私達がまた無事に歳を取れた祝いも兼ねて、どうだろうか」
「それは良いんだが……具体的に何をするものなんだ?」
「神と、家族や知人達に、互いを愛し共に歩む事を誓うんだそうだ」
「家族や知人って……俺達には碌に居ないだろう。況してこの街では」
「朔羽とセレステ位は、声を掛けたら来てくれるのではないか。あとは……フィロソフィアとイデアグロリアの人達も」
「そんな連中呼ぶな。会場がどうなるかわかったもんじゃない」
「……確かに。朔羽達だけにするか」
「……というか、いつ何処でやるんだ。そんなすぐに準備出来るものでもないだろう。金も要るんじゃないのか」
「……あ」
「……考えてなかったのか」
「いや、何とかなる。最悪場所だけ借りて……二人きりでするのも、悪くないだろう」
「それは……望む処だな」