また会いましょう生まれ変わり現代パロ。
あの世で待ってた七海に会い、共に生まれ変わろうと手を繋いで生まれ変わる所まで行く。
生まれ変わって最初は記憶が無い。
名前は同じ。同級生。
同中で中三のクラス替えで出会う。
「七海…じゃあナナミンだな!」
「やめて下さい」
七海に彼女ができる。
そのタイミングで悠仁が思い出す。
『ナナミン!』
『ずっと此処で君を待ってました』
『君に、伝えたいことがあって』
『私は君が好きでした』
『俺もナナミンが好きだよ』
『君のは…私とは違って…』
『違わないよ!俺だって!ナナミンに好きだって言いたかった!』
『言いたかったよ…』
『虎杖君…』
『一緒に行きましょうか』
『え?』
『生まれ変わって、私を見つけて下さい』
『私も君を見つけて今度こそ言います』
『君が好きだって』
『そうしたら、今度は死ぬまでずっと一緒にいましょう』
『ずっと?』
『ええ、ずっと』
嫌ですか?と笑うナナミンに首をブンブンと横に振る。
『ずっと一緒だよ!』
『ええ』
ずっと一緒にって約束したのに。
今まで忘れてた俺が言うのもなんだけど。
それでも俺、思い出したよ。
ナナミン。
そんな笑顔を他の誰かに向けないでよ。
仕方ないのかな。
思い出さない方が幸せなんじゃないかな。
可愛い子と、そのうち結婚でもして、子供が産まれて、シワシワになるまで幸せに生きて死ぬんだ。
あんな…あんな最後じゃなくて。
ちゃんと幸せに。
「虎杖君!」
「…ナナミン…」
「全部、思い出しました」
「君は先に思い出していたんですね」
「どうして言ってくれなかったんですか」
「だって!」
「ナナミン彼女いたじゃねーか!」
「俺のこと思い出さずに忘れたまんま!彼女と仲良くしてたじゃん!」
「そしたら…そしたらさ、…その方が幸せなんじゃないかって思うだろ…」
「何処か、欠けてました」
「え?」
「周りの友人達が勧めるままに彼女を作れば欠けたものが埋まると思ってました」
「彼女といても何か違うと違和感があって、ずっと何かが足りないと感じていました」
「君の顔が浮かんだんです」
「君と一緒にいた時は、とても満たされていた。誰よりも何よりも心穏やかだった」
「私は、君とじゃないと幸せになれないようですよ」
「……なんっ…だよ、それぇ…」
「虎杖君、君が好きです」
「君の事を幸せにするので、私の事も幸せにしてくれませんか?」
「……っ、する決まってんじゃん!!」
中三の終わりに七海も思い出し、彼女と別れて悠仁と同じ高校に行く。
「ナナミンの行く高校、俺行ける気しねぇよ」
「では、私がランクを少し下げますので、虎杖君は頑張ってランクを少し上げて下さい」
「…いいの?」
「?ずっと一緒にいるんでしょう?」
「!うん!!」
見た目ヤンキー悠仁と優等生七海なのでからまれているかと先生に勘違いをよくされて七海がキレてカムアウトする。
「俺とナナミンはそんなんじゃねぇって!」
「虎杖、お前も高校生だろ?少しは大人しく…
「恋人です」
「……は?」
「前世からの運命の恋人ですが、何か?」
「え、あ、そうなの?」
「行きましょう虎杖君」
「え、あ、うん」
「いいの?ナナミン」
「何がですか?」
「俺らの事、言っちゃって」
「いけませんでしたか?」
「いや、俺は嬉しかったけど、噂とかさ…」
「可愛い恋人に悪い虫がつかなくて安心します」
「もっと早くカムアウトしておけば良かったですね」
「!へへっ」
「ねー、ナナミン」
「何ですか?」
「こうなったら高専の他の奴らも探しに行こうぜ!」
「仕方がないですね」
そう言ってナナミンは困ったように、けれども優しく笑う。
一番大好きな笑顔が、一番隣で見れることが、幸せだと俺も笑った。