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    10ゲージのポイポイ

    @10_gauge_19s

    書けないものとか色々ポイポイ

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    POIPOI 92

    ウツハン♀。いい子をやめたら?振り向いてくれる?それとも見放される?試してみよう愛デッシ。
    着地地点は決まってない…。

    いい子なんて、もうやめた教官は、いつも私を褒めてくれる。

    「素晴らしいよ!愛弟子!」

    励ましてくれる。
    導いてくれる。
    可愛がってくれる。
    教えてくれる。

    けど、愛してはくれない。

    「いい子だね!愛弟子!」

    いい子になれば、大好きな教官が、たくさん褒めてくれたから、いい子だった。
    よく頑張るいい子だったら、もっと褒めてもらえると、たくさん頑張った。

    「…教官、私…」


    もう、いい子はやめます。


    「どうしたの?愛弟子」
    「…いいえ?」

    いい子だった私を褒めてくれたけど、『いい子』なだけで、教官は振り向いてはくれなかった。
    じゃあ、いい子をやめて悪い子になったら?
    教官は振り向いてくれるだろうか?
    それとも、見放される?

    「愛弟子!今日はどこに行くんだい?」

    いい子の私だったら、笑顔で行き先を告げて、教官からの言葉を待っていただろう。
    悪い子になるのは簡単だ。
    反対の事をすればいい。

    「…教官には関係ありませんよ」

    フッと笑って暖簾をくぐる。
    驚いた顔の教官は、とても可愛らしく見えた。

    いつも着ていたカムラノ装備は脱ぎ去って、触れれば毒が回りそうな艶〈あで〉やかな装備を身に纏う。
    真っ赤な紅を引いて、瞼には黒い影を落とす。

    「愛弟子?…最近どうしたの?」

    戸惑う教官の顔の、なんて可愛らしい事。
    腹の中と同じように笑ってみせた。

    「どうもしませんよ?」

    待って、と伸ばされた手を振り払って、一緒にクエストに向かう男達の元へと、ヒラリ、舞い降りる。
    何が何だか分からない。
    そんな顔をした教官が愛らし過ぎて、笑みを浮かべて、ひとつ助言を。

    「私、いい子はやめたんです」

    見開かれた金色の瞳には、私だけが映っていた。
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