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    10ゲージのポイポイ

    @10_gauge_19s

    書けないものとか色々ポイポイ

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    POIPOI 92

    ウツハン♀。デッシに膝枕してもらおう!と書き始めたら何か違った。これはこれでいいかぁ。

    ひざまくら気にしないようにしているが、どうにも気になる。
    モゾモゾと、耳に違和感。
    耳が痒い。

    「どうされたんですか?教官」
    「んん…いや、ね。耳が痒いなぁって…何か、入ったかな?」
    「私が見ましょうか?」
    「え」

    椅子に座った愛弟子が、自身の太腿をポンと叩く。
    ここに寝転べと。
    いや、しかし、そんな。
    うら若き乙女の太腿に、おじさんが頭を乗せてもいいものだろうか、と。
    だが耳は痒い。
    自分で見る事は叶わない。
    疚しい事は無い。
    自分に言い聞かせるように心の中で呟いた。

    「…失礼します…」

    頭に、頬にあたる柔らかい感触。
    花のような匂いと愛弟子の匂いが、ふわりと香る。

    「じゃあ、ジッとしてて下さいね」
    「う、うん…」

    温かく柔い指が、俺の耳に触れた。
    擽ったさに少し肩が揺れた。

    あー。ダメ。ダメだよ愛弟子。太腿やーらかー。いい匂いがする……い、いかん!愛弟子は善意でやってくれてるのに、俺は何を考えているんだ不埒者!あー、けどホント気持ちいい。耳もだけどホント太腿が……ってダメだっての!!温かい…柔らかい…いい匂い…指が少し擽ったいなぁ。何だか眠くなってきた。キミの側にいると、こんなにも幸せなんだなぁ。

    心地よさに目を閉じて。
    時折、聞こえる愛弟子の声が眠気を誘った。

    「…かん……教官?」
    「んぇ?」

    肩を揺すられて、ハッと目を開く。
    見上げれば、愛弟子の姿。
    あれ?見上げる?俺、何してた?
    ぼんやりしていた思考が徐々にハッキリとしてくる。
    耳が痒くて、愛弟子が見てくれるって、膝枕で、心地よくて…?

    「…俺、寝てた?」
    「はい。少しですけど」

    クスリ、と笑う愛弟子に、まだ頭の下に彼女の太腿があるということに気づく。

    「ご、ごめん!重かったでしょ?」
    「大丈夫ですよ。あ、耳ですが、小さな髪の毛が入り込んでいました」

    慌てて起き上がった俺に、愛弟子は笑って、俺の耳から出てきた髪の毛を見せた。
    細くて短い髪の毛。
    産毛に近いそれは、抜けて耳に入り込んでしまったのかもしれない。

    「あ、ありがとう!…そうだ!お礼にうさ団子奢るよ!」
    「いいんですか?」

    オテマエさんにうさ団子を頼む。
    程なくしてやって来たうさ団子を見て、愛弟子は嬉しそうに笑って団子を頬張った。

    「また耳が痒かったり、…疲れた時は言って下さい。私の膝を貸しますよ」

    にっこり笑う愛弟子に、曖昧に返事をして。
    頰に残る柔い感触に、今日は眠れるかな、と小さく小さく溜め息を吐いた。
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