ありま夢ショのようなもの 夜の裏通りにうっすらと立ち込める生臭い匂い。薄暗い外灯の下を歩く有馬は顔をしかめて口を歪ませた。不快感を少しでも紛らわせるように煙草に火を付け、ニコチンを深く吸い込む。それで有馬の気分は幾分か紛れた。
このあたりは飲み屋が乱立しており、その中には飲み屋に見せかけたいわゆる闇取引のために使われる店も紛れている。脱獄してからしばらく経つD4のクライアントとの取引場所もここにあった。
燐童に指示された場所からの帰り、有馬はたまに気まぐれに酒をひっかけることもある。今日はどうするべきか思案しながら塒までの道を歩く。
有馬がふと向けた視界の先にゴミ袋にもたれかかり倒れている女の姿が入ってきた。
ドブのような場所から動けない女。有馬がしゃがんで女を覗き込む。
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