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    555

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    梵天軸で亡霊にならなかった者と亡霊にならざるを得なかった者という話です。

    来たれ、甘き悪夢よ 彼岸が近付くと夏の暑さが嘘のように冷え込み、長雨続きで体調を崩した。微熱程度なら大したことないとバイクの整備をしていたら、作業中に流しているラジオから響く厳粛な声が脳内に入り込むと視界が異様な光で明滅した。気付くと引っ繰り返って天井の照明が見えた。眩い光に網膜が焼き切れそうになりうつ伏せになって、詰まった息が喉から這い出す。は、は、荒くなる呼吸に伴い吐き気が込み上げた。次の瞬間、吐瀉物を床にぶちまけた。頭が混乱しているのに、胃の中にものが入ってなかったせいか掃除は思ったより楽だな、なんてどこか他人事の感想を浮かべて、雑巾はと声を漏らせばレジに居たドラケンが慌てて傍に駆け寄ってきた。
    「バカか、そんなのあとだ」
    「へ……いきだ。少し休めば治る」
    「あんなことがあったんだ、無理すんな」
     龍宮寺の言っている意味が分からなかったが、とりあえず頷くと担がれて住居となっている二階に運ばれた。作業着を脱いでベッドに横になれば、男が救急箱と温めたミルクをベッドサイドに置いた。湯気の立つマグカップをぼんやり眺めていると少しでいいから飲めと言うのにのろのろ体を起こし、受け取ったそれに息を吹きかける。
    「仕事、途中になって悪いな」
    「ちゃんと見てなかったオレの責任だ」
    「そんなことない、気にすんな相棒」
     少々の不調など二、三日もすれば治るだろうと高を括って自己管理を怠ったのはオレ自身だ。気に病むなと零し、鼻先を擽る仄かな甘い匂いに目を細めて口を付ける。男は何か言いたげな顔をしていたが、溜息を落とすとゆっくり休めよと階下へと戻って行った。マグカップの中身を減らして胃から体が温まると救急箱の中から解熱剤を取り、二錠口に放って呑み込めば布団に潜って目を瞑った。暫くすると強い眠気が頭を覆い全身が鉛みたく重くなってベッドに沈んだ。

     静かではあるか確かな強さを持ったノック音は夢現の脳を覚醒させる。糊で貼りつけたかの瞼で瞬きすれば、室内は暗闇に包まれていた。ぼんやりとした視界に扉が開かれて射し込んだ照明の灯りが浮かび上がる。室内灯の電源を入れないのは部屋に入ってきた男の気遣いだ。
    「鍋に粥作ってる。食えるようなら食って」
    「……んー、あぁ」
    「冷蔵庫にゼリーとスポドリもあるから」
    「わりぃ、な」
     共同経営者の男は世話焼き気質で、自分より一つ下なのに一回り年上のような振る舞いをする。それが背伸びではなく板についているのだから、自身の至らなさが浮き彫りになる。仕事が終わってから近場のスーパーで食べられそうなものを買い込み、戻ってからメシの支度をしてくれた。重ね重ね自らの不甲斐なさが身に沁みた。
    「今夜、様子見て酷くなるようなら病院に行け」
    「おう……」
    「注射が苦手とか言うなよ?」
     茶化す音程で紡いで重苦しい空気を払拭するのに、ふはっと息を漏らす。
    「看護婦さんに手を握ってもらうよ」
    「ははっ、そいつは羨ましい」
     冗談を零せば、龍宮寺は笑いを漏らした。これ以上は話すと負担になると判断したのか、じゃあまた明日なと残して部屋を出た。遠ざかっていく足音を耳にしながらもう一度寝ようか考えて、汗を吸ったシャツの不快さに気付いてしまえば着替えたい欲が勝った。のろのろ起き上がり、着ている全てを脱ぎ落すとチェストから新しい下着とスウェットを出した。気怠さを飼った指でなんとか服を替え終えると、今度は喉の渇きを体が訴える。緩慢な足取りでダイニングに向かう、冷蔵庫を開けば相棒が買い置きしてくれたプリンやゼリーにスポーツ飲料水が二本あった。一本取ってキャップを開けば、コップに移さずそのまま口を付けて喉を鳴らす。急速に巡る水分に息を吐くと、コンロの上の鍋に目を向ける。食欲はなかったが、見れば空腹を訴える現金な体に苦笑を漏らしながら茶碗に粥をよそい梅干しをひとつのせると立ったまま搔き込んだ。梅肉の酸味が食を進め、鍋を半分ほど空けると残りは朝に取っておこうと蓋をするとペットボトル片手に再び寝床に戻る。熱は引いていたが肉体の倦怠感が取れていなかったから、一応枕元にある錠剤を服用した。水の代わりにスポーツドリンクで流したが効能はあるのだろうか、そんなことを思い浮かべながら少し湿った枕に顔を埋める。明日は起きたら熱いシャワーを浴びよう、それから粥を食べて、病院も必要なら行こう、買ってきたものの代金を龍宮寺に払わないと、取り留めのない考えをつらつら垂れ流す意識はやがて途絶えた。

     ぎしぎしと階段が軋むのが聞こえる。熱に浮かされた状態でも老婆が呻くかの音は静寂の中でやけに大きく響いて、寝室で横になる自分の耳にも届いた。
    「ドラ……ケン、か」
     声を発すとからからに渇いた喉は微細な痛みを走らせ小さく咳き込む。これでは聞こえない、起き上がろうとするも薬が効いてるせいか身動ぎするに留まった。心配性の男が夜更け過ぎに戻ってくることを疑問に思うこともなく、声を出そうとしても唇を開閉するだけで駄目だった。男には悪いが用が有れば部屋に来るだろうと諦めて横になる。数分経っても扉は開かれることなく、室内は暗いままだった。
     妙だとは思ったが特に気にはせず目を閉じれば、頭に巣食った眠気が存在を強くした。夢の沼に落ちる間際に一定調子の音が聞こえた。トントンと響く規則正しい音、何をしているのか、疑問に答える声はない。ただ、その音に覚えがあった。日常的に耳にする聞き慣れたものというのではなく、懐かしさを感じる、どこで聞いたのか思い出せないまま意識は現実から離れていった。 

    ■□
     翌朝、目覚めるとスッキリとまではいかないが少し体が楽になっていた。起き抜けに置いたままのペットボトルの中身を傾けて水分補給すると、次にシャワーを浴びにバスルームへ向かう。少し熱めのそれを浴びて完全に思考が目覚めると、昨晩の奇妙な出来事を振り返る。ソファに龍宮寺の姿がなかったことから、朦朧とした状態で聞いた幻聴という可能性もあったが、夢と断じるには些か引っ掛かった。髪を乾かして新しいシャツを羽織ると、音の正体を確かめに行く。
     ダイニングに特に変わった部分はない、あの音は俎板を叩く音に近かった。あるとしたらキッチンかと足を運べば最初は変化に気付かなかった。よくよくシンクを見ると、まだ半分ほど粥が残っていた鍋が空の状態で水に浸けられていた。これは流石に思い違いということはない。視線をコンロの上に移動させると、そこにスープパンが載っていた。恐る恐る蓋を開いてみると黄金色のコンソメスープに羽衣のような溶き卵が浮いていて、背筋が震えた。手にした蓋が床に落ちて甲高い悲鳴を立てる。その音を聞きつけたのか、一階から大丈夫かと声が響いた。壁掛け時計を見れば、午前八時を指している。何時もより早く店に来たのは自分の身を案じてだろう。余計な心配をさせる前に、扉を開いて階下に声を放つ。
    「大丈夫だ、ちょっと手が滑った」
    「おう、無理しないで少し休めよ」
    「そうするよ」
    「休憩の時になんか作るから」
     その言葉でスープは龍宮寺堅が作ったものではないのが確定した。じゃあ、一体誰があれを作ったのか。洗い流したばかりの背筋にねっとりとした汗が垂れていく感触に身震いする。誰かがこの部屋に侵入した事実より、オレはスープの存在が恐ろしかった。知らない人間が勝手に作った料理への嫌悪感ではなく、作られたメニューへの恐怖はオレが犯した罪と深く関わりがあるからだ。
     どの家にも、病気の時に食べる定番のメニューというのがあると思う。卵や梅干し入りの粥やプリンに卵酒、フルーツの缶詰といった風に。オレの家ではそれが溶き卵を流したコンソメスープだった。小学校に上がる頃には両親は共働きで、風邪を引いても赤音が病院に連れて行き世話をしてくれた。熱いと言えば氷枕で頭を冷やし、汗で気持ち悪いと愚図れば着替えさせてくれた。ぺたぺたになるまで煮た粥でも吐いてしまうことがあるから、必ず胃に負担の少ないスープを先に飲ませて様子を見た。問題なければ少しずつ流動食からプリンやゼリーなどを食べさせてくれた。学校のプリントを持って来てくれたココにも、風邪をうつすといけないからと赤音が代わりに受け取ってくれていたのを昨日のことのように思い出せる。
     真っ当な職に就き十年の月日が過ぎて忘れていたが、自分はどうしようもなく罪人だ。善良な振りを装い生きていても、消せない罪があった。優しかった姉を蹴落として生き残ったというのにスープを見るまですっかり忘れていたんだ、乾赤音を。血の繋がったただひとりの姉、幼いオレは守り育てくれた存在を記憶の奥底に閉じ込めていた。
     人が死ぬのは、命が潰えた時じゃない。自分のことを記憶する人間が居なくなった時に本当の意味で死を迎える。親父とおふくろは覚えているだろうか、赤音のことを思い出すと同時に親不孝者のオレのことも考えてしまう。辛い記憶を心の一番深い部分に沈めてしまっても可笑しくない。それを薄情だと責めることは出来ない、全ては乾青宗が引き起こしたことだからだ。
     だからこそオレは、オレだけは姉を忘れてはいけない。家族以外で姉を愛した唯一の男を解放する為にも、死ぬまで覚えている必要があった。だけど、結局上手く幼馴染には告げられなかった。幸せな未来を掴んでくれと言えなかった。
     最後に会った時、自分の我儘に付き合ってくれたことへの礼を述べて振り返らず歩き出した。顔を見ておけばよかった。どんな表情をしていたのか知っていれば、その手を掴まえて離さなかった。頭の奥で電波の悪いラジオの音が聞こえる。ジージーと酷いノイズが走る、不協和音に眉を顰めながら静かになるのを待つ。聞こえなかった音の輪郭がはっきりと流れる。
    『昨夜未明発見された焼死体は、その後警察の調べにより先月から行方が分からなかった九井一さんのものと判明しました。経営コンサルタントとして有名な九井さんは兼ねてから強引な企業買収や反社会組織との繋がりを噂されており』
     そうだ、ココは死体となって発見された。もう何処にも居ないんだ。運命の輪から逃れられなかった。幼馴染がくれた言葉を胸に刻み、道を間違えずに十年歩いて来た。でも、違う。あの日、九井一の手を取れなかったのが最大の過ちだ。後悔したってしきれない。想像力の欠けたオレはあの後、少年だった幼馴染がどんな道に進むかきちんと考えなかった。器用で要領が良くて理性的なココなら上手くやると決めつけていた。既に十代目黒龍の時に裏社会との繋がりが切っても切れないほど深まっていたのに。
     誰に赦しを乞えば良いのか分からないが、不義理で薄情で身勝手で臆病な自分は縋るように鍋に浸ったおたまを掴んだ。
    「赤音……ココ……」
     冷えた汁を掬って口に運ぶ。啜ったスープが口内に広がるとぱちりぱちりと細胞が弾ける、程よい濃さのコンソメの味とふんわり柔らかい卵の食感が味覚に刻まれた記憶を花開かせる。濡れタオルを絞る華奢な腕、額に宛がわれた掌の温もり、心細さを溶かす陽だまりの微笑み。優しく綺麗で清らかな、永遠に十六歳のままの少女の姿が瞼の裏に描かれると、じわじわと熱いものが込み上げてきた。
    「うっ……ぇ、オレ……姉ちゃん……」
     何百回言っても足りない。それでも謝りたかった、九井一が愛した少女に。この世の何処にも居ない姉がもう一度扉をノックして迎えに来たらごめんと言ってそうして罰を与えて欲しかった。

    ■□
     内側から噴き出した感情に蹲っていたが、己の罪悪と向き合う時が来たのだと重たい体を起こすと顔を洗いに行く。冷水を叩きつけて気を引き締めタオルで拭えば、休憩時間を知らせる電子音が鳴り響く。数分して足音が響くのに洗面所から出て、相棒を迎える。
    「どうだ、メシ食えそうか?」
    「もう平気だ」
    「ん~そうは見えなぜ」
     開口一番に此方の様子を窺う男に緩く首を振って大丈夫だと言葉を重ねると、長年一緒に店をやってきた友人に胸の内を吐露した。
    「あのさ、この十年。ずっと長い夢を見てた気がする」
    「おいおい、急になんだよ」
    「これまで忘れてたんだけど、遣り残したことがあるんだ」
     声音から冗談ではないと察した龍宮寺は神妙な顔つきで自分を見つめた。一分、二分と時間が過ぎてどれくらい経ったか、静かに口を開いた。
    「後悔しないよう生きろって言われてもさ、大なり小なり付いて回る」
    「ああ……そうだな」
    「完全に忘れて生きられるもんでもねぇし、ふとした瞬間に傷がぱっくり開く。生きてるヤツは、どデカいそいつを背負っていくしかねぇ」
     佐野エマ、佐野万次郎、特別な存在である二人を喪った龍宮寺は今も尚、後悔の中で生き続けているからこそ言葉に重みがあった。命日になると必ず男は花を持って墓参りに赴く。多分、生涯この男は真正面から二人の死を悼むのだろう。姉の死に真摯に向き合うこともせず墓に一度も足を運べないオレは、何も言い返すことは出来ない。圧し掛かる沈黙に痛みを覚えながらも、そうだなと流して何事もなかったよう振る舞うのは嫌で、耐えるしかなかった。
    「はぁ……オレも偉そうにモノ言える立場じゃねからな」
     深い溜息と共に落ちる言葉に伏せていた視線を上げれば、物悲しい色を浮かべた瞳を閉じると男は口元に困ったような笑みを象る。
    「早まるんじゃねぇって言いたいけど、結局決めるのはオマエだイヌピー」
    「……ドラケン、悪いな」
    「ま、アイツに比べれば我儘の内には入らねぇか」
     快活な声で紡ぐアイツが誰かは聞かなくても分かっていた。こうして傷に触れられるのも、そいつをずっと想って生きていたからなんだろう。そういう風に傷を撫でられる日が来たら良い、と有りもしない未来にほんの少しだけ思いを馳せると、これまでの月日を支えてくれた友人に深く頭を下げた。
    「ゆっくりしろよ、相棒。またな」
     後でも、明日も付かない言葉に、ありがとうと心からの感謝を述べると軽く頷いて冷蔵庫から好き好んで飲まない甘いコーヒー牛乳の瓶を一本手に店に下りていった。

    ■□
     仕事を終えて店の戸締りをした龍宮寺堅が出て行くのを二階の窓から見送った。何時もと変わらない男の後ろ姿が、夜の闇に包まれて見えなくなっても暫く窓際に立っていた。首筋をなぞる冷えた秋風の感触を堪能してから窓を閉める。
     チェストの上に置いてあるレターケースから店の権利書、各種書類と印鑑。十年の月日を掛けて貯めた金の入った貯金通帳、微々たるものだがこれからの足しにしてもらおう。委任状と龍宮寺堅への手紙を書くと封筒に入れる。一式をテーブルに並べるとソファに深く腰掛けて、審判の時を待つ。
     階段が軋む音を聞き逃さないよう静かに息を潜める。室内を満たす秒針の音、時計盤を周回する針が午前零時を過ぎた頃、扉向こうからギィギィ錆びついた音が木霊する。少しずつ、ゆっくりと二階へ向かって来る。近付くごとに心臓が飛び出しそうなほど激しい鼓動を打ち鳴らす。浅くなる呼吸を落ち着かせるよう息を吸って吐き出すとソファから立ち上がり、足音を立てないよう扉の前へと移動する。最後の一歩を踏んだ時、聞こえていた音がぴたりと止む。ノブを見つめていたが、捻られる気配がないことに自分から声を掛けた。
    「迎えに来たのか」
     一枚の扉を隔ててそこに居る存在から返事はなかった。そうだよと少女の声が響いたなら、今行くよとノブを掴んで外に出る。早く答えてくれ、と暴れる心で先に言うことがあったのだと唇を湿らせる。
    「ごめん、今まで一人にして本当にごめんな」
     忘却の彼方に置き去りにしてしまったことを詫びれば、一拍の間を挟んで懐かしい声が鼓膜を叩いた。
    「別れを言いに来たんだ」
    「……ココ、なのか」
    「ソイツはもう死んだよ」
    「じゃあ、誰なんだ」
    「この世の何処にも存在しない亡霊だ」
     一片の言葉が落ちた瞬間どうしようもない感情に見舞われた。九井一の幸せを願っていた、温かな光に包まれ穏やかに生きていて欲しかったのに、オレの過ちが名前を存在を奪ってしまった。
    「オレのせいだ……」
    「いいんだよ、これで」
    「オマエは誰より幸せになるべきなんだっ……!」
     居ても立っても居られなくなりノブに指を掛ければ、オレの行動を見通した男は反対側から扉を押さえる。
    「絶対に開けるなよ、この扉を。悪いものが入ってくるからな」
    「……そんなわけあるかよ。ココはオレの」
    「誰よりも大事だからだ。こうして話せて良かった」
     もう行かないと、そう呟いてドアの前から気配が遠退くのを感じた。一緒に居た頃も離れてからもずっと大事にされていた。九井一は全てを乾赤音と乾青宗に捧げた。今度はオレが九井一に全てを捧げて尽くしたい、臆す心を奮い立たせると勢いよく扉を開き、階段を降りていこうとする影を掴まえる。痩せて細くなった手首の感触が確かに指に伝わる。夜の闇に舞う長い白髪、振り向いた切れ長な瞳が円くなるのを目にすると離れないよう抱きしめる。冷えたコートの感触に目を瞑り、以前より少し細くなった男の輪郭を体を刻みつける。
    「バカだなぁ、イヌピー」
    「そいつはもう居ない」
    「じゃあ、オレを抱きしめてるのは誰だ?」
     どう足掻こうと人は自分以外の何者にもなれはしない。名前を捨てても過去は消せず、生きている限り罪を背負っていき望んだ願いは永遠に叶わない。悪夢の中を彷徨い続ける日々だとしても、互いの温もりがあるなら歩いて行ける。
    「オマエと同じ傷を持った亡霊だよ」
     漏れる吐息が耳を撫でるのに肩口に懐かせていた顔を上げると目を瞑った。燃えそうなほどの熱が唇に灯り、オレは愛しい亡霊を招き入れた。 

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