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    ラリ子

    @gorirariko

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    ラリ子

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    お茶を濁します。。。。🍵

    全年齢/書きかけ/
    ソーンズ君誕生日記念で彼のとある特徴にフォーカスしてみたエリソー。続きも早いうちに書きます。

    ##エリソー

    ブラザーってよく目つむってるよね 通信相手からの伝言を復唱し終え、マイクをオフにしてからエリジウムは仲間を振り返る。背後に構える仲間たちの様子は多種多様だ。座り込んでしっかり休んでいる人もいれば、立ったまま汗をぬぐっているだけの人もいる。
     その中を視線で薙いで、一人に目を留めた。薄煙の中、先ほどまでの騒々しさを吸い込んでしまったかのような白い空を軽く見上げている。汗に湿った彼の横髪が、静かな風にそよがれていた。
     彼の雰囲気がいつもより穏やかに見えるのは、その子供のようにくるんと柔らかくウェーブした髪のせいだろうか。それとも、先ほどまでの戦闘時との差異によるものだろうか。
     そんなことを思っていれば、見つめていた彼が、視線に気づいたかのようにふとこちらに顔を向けた。目が合った、と思ってすぐに、その感情の読み取りにくい目は閉じられてしまう。汗でも目に入ったのだろうか、とエリジウムは少しだけ心配になった。
    「――作戦終了だって! みんなお疲れ様! このあと支援部の人たちが来るから、お邪魔しないうちに帰投しちゃおう!」
     エリジウムは声を張り上げる。仲間の多くがこちらを振り向いて、数人が頷いた。すっかり疲れて地面にはりついていたテンニンカをよいせと起こしてから、エリジウムはソーンズのもとへ向かう。彼はもう目を伏せてはいなかった。
    「ソーンズ。大丈夫?」
    「異常はない。少し緩んでいたところがあるから、戻ったら直さなくちゃな」
    「あ、そう……?」
     ソーンズはエリジウムに向かって彼の大剣の石突のあたりを見せたが、ただでさえ詳しくないエリジウムには、彼のきっちりとしている装備のどこに不備があるのか、よくわからなかった。
    「まあ、いいや。問題ないなら戻ろう。っていうかブラザー、髪伸びたよねぇ」
     長さを確認しつつ、髪についた土ぼこりをはらう。しばらく切っていないのだろう、彼の黒い髪はひとくくりに結べそうなほど伸びていた。
    「そうか? 気にしたことがない」
    「ええー……目に入っちゃうんでしょ、そのせいで。帰ったら理髪行きなよ」
    「……構わないが」
     あまり必要性を感じていない、という顔で、ソーンズは一応といったふうに頷いた。

    「エリジウム?」
     ロドスアイランドに帰艦し、どやどやとそのままシャワールームへ直行する一団の中、エリジウムは食堂にある人物がいるのを見て足を止めた。そこにソーンズから声がかかる。
    「シャワーは?」
    「ああ……いや、お腹すいちゃったから、先にご飯食べようかなって。ほら、僕は今日あまり汚れていないし」
    「そうか。……それなら特製ローストビーフサラダ大盛り確保頼む」
    「ああ――はは。君ほんとあれ好きだよねぇ。いいよ。ポテトは?」
    「お前も食べるだろ。ボウルに大盛りでいい」
    「はいはい。じゃあちゃちゃっと浴びておいで」
    「行ってくる」
     廊下を歩いていくソーンズの後ろ姿を見送ってから、エリジウムは食堂に入った。夕食には少し早い時間だからか、広々とした空間に人の姿はまばらだ。カウンターでローストビーフサラダを二つ注文し、セルフサービスのマッシュポテトとパンとスープを大盛りにしていれば、支援オペレーターが苦笑しながらワゴンを貸し出してくれた。
     ワゴンを押して、エリジウムは一人の女性がいるテーブルへ向かう。「お邪魔するよ!」と声をかければ、独特の青い瞳がエリジウムを見上げた。虹彩に走る白色が、ソーンズの目に似ている、と少しだけ思った。
    「エリジウムか。お疲れ。ソーンズは?」
     アンドレアナはそう言って、エリジウムが携えてきた大量の食事に目を向け、広げていた雑誌を横へ退けた。
    「先にシャワーだよ。ねえねえ、このサラダ多いから一緒に食べてくれないかなぁ」
    「いいの? 喜んでご相伴に預かるよ」
    「そう言ってくれると思った」
     エリジウムが笑って言えば、アンドレアナも嬉しそうな顔をして眼鏡を外して横へ置く。彼女に手伝ってもらいながら、エリジウムはせっせと食事を並べてワゴンを返しに行った。
     ソーンズなら大盛りサラダなどぺろりだろうが、エリジウムは任務終わりとはいえ――むしろ任務終わりのせいか、ポテトとスープでほとんど腹一杯だ。ローストビーフサラダは人気も高い美味しいサラダだがいかんせん大盛りなため量が多い。それを伝えれば、アンドレアナは軽く笑った。
    「まあ、私は嬉しいからいいんだけど。ここに来たのはそれだけじゃないよね。何かあった?」
     サラダをつつきながら、アンドレアナは向かいに座ったエリジウムを見つめる。
     ああ、いや、とその目に思わず羽根をかいた。
    「ソーンズの髪がちょっと伸びちゃっててさ。ほらあいつ全然髪を切りにいかないから。まあ、ブラザーも忙しいし、無理に切らせるのも悪いから、せめて結んであげようかなって思って。でも髪を結ぶなんてやったことないからさ? こう……痛くさせちゃいけないなと……」
    「……なんて言うか、お世話の才能があるよね、君」
    「え。そお?」
    「尽くすタイプだなぁって。まあそれはいいや。髪なんてちゃんと梳けば簡単に結べると思うけど。本人にやらせてもいいんじゃない? 彼器用だし」
    「でも、結んでねって言っても、なかなかやらないからさぁ?」
    「へえ……。髪が伸びてたところで問題ない、って?」
    「そうそう。でもあいつね、作戦終了時とかに見るとよく目つむっててさ。汗か髪か、やっぱり鬱陶しいんだと思うよ」
    「目を……」
     アンドレアナはそう呟いて少し考え込んだようだった。エリジウムはスプーンで掬ったポテトを頬張りながら、櫛を買わなきゃなぁとのんびり考える。

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    ラリ子

    INFO『思春期のエリくんアンソロジー』に寄稿させていただいた小説のサンプル分になります。サンプル範囲は画像形式のものとほとんど変わりません。
    初夜に全力すぎる余り全力すぎてしまう思春期のようなエリジウムくんとなんなかんや受け入れてくれる感じ……多分……なソーンズくんです、よろしくお願いします!

    ・思春期のエリくんアンソロジーHPはこちら
    (https://mariehana4649.wixsite.com/mysite/sample)
    鳥類的"sexual"コミュニケーション【サンプル】『清く正しい性行動』
     ……果たして本当にそんなタイトルだったかは覚えていないが、おおむねそんな感じの文言が題された薄っぺらい書物を、青少年期に読まされたことがある。内容の四分の一程度はなるほどと頷ける感じで、四分の三は当時の自分でも奇妙だと思えるくらい、おかしな事柄の陳列だった。じっさい、周囲の連中と笑いながら読み捨てていた気がする。
     当時の自分にとって、面白くも必要性もなかったその書物の内容は、結局かけらほどしか記憶として残っていない。しかしエリジウムは、十数年後の自分のために記憶しておくべきだったと、まさに今、頭を抱えるほど後悔していた。
    「普通でいい」
     そう言ったのは、ここロドスで出会ったエリジウムの友人で――そしてつい先月交際相手というものにもなった男、ソーンズだった。
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