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    shiba

    @mie_v0_0v
    主にobm、留♂〆のSS置いてます。
    たまーに絵も描きますが、アナログなので、落書きのようなものがほとんどです。
    反応いただけると嬉しいです。

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    POIPOI 49

    shiba

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    留♂〆です。
    大遅刻ポキプリ。
    でも、この二人なら、こんなこと、毎日やってそうなんで、いいですよね?
    直接的なことは書いてないので、全年齢にしてみました。

    捏造ありますので、ご理解いただける方だけお進み下さい。

    #ObeymeSimeon
    #Obeymemc
    #obmプラス
    obmPlus

    ポッキー&プリッツの日。 ('22)「シメオン、今日は何の日だー?」

    RADからの帰り道、手を繋いで歩いていると、MCが突然クイズを出してきた。

    「えぇ?また何かあるの?この前…その…『いいおっぱいの日』したばっかりじゃない」

    そう。
    11月8日は「いいおっぱいの日」と呼ばれているらしく、帰って早々、さんざん胸を弄られて、まだ乳首がヒリヒリするし、キスマークも…まだ残ってる。

    「あるのあるのー。人間界にはね、ポッキーとプリッツっていうお菓子があってね、それが棒状だから、11月11日は『ポッキー&プリッツの日』になってるんだー」

    MCが、両手の人差し指をピンと立てて、1が並ぶことを示してくれる。
    その形だけで記念日にしてしまうのが、人間独特の発想だな、と改めて思う。

    「へぇー。それにしても、人間界って、そういうイベント、好きだよね」

    長い時を生きる俺たちには、一日なんてさほど気にすることではないけれど、限られた時間を生きる人間には、その、一日一日を大切にしたいという思いがあるのだろう。
    MCと出会って、恋人になって、そういう考え方を知った。
    そして、好きな人と過ごす一日がこんなに大切なものだということを教えてくれた。

    「言われてみればそうだね。何かと理由をつけて、イチャイチャしたいからじゃない?とゆーわけでっ」

    「へっ?」

    MCが急に繋いだ手を引っぱって、道の脇にある茂みに連れていかれる。
    何をされるのかとドキドキしていると、思わぬ言葉が返ってきた。

    「人間界に、ポ○キー買いに行こう!」

    そう言うと、MCが呪文を唱え始め、目の前に魔法陣が現れた。
    眩い光とともにその中に吸い込まれそうになり、とっさに踏ん張って耐えてしまう。
    が、魔法に力で対抗出来るわけがない。

    「わっ!いきなり移動、しないでっ」

    こんな高等魔法をいつ習得したのかと驚いている間もなく、俺とMCはその魔法陣の中にあっけなく吸い込まれていった。

    「じゃーん!とうちゃーく!コンビニの裏ーっ」

    シュタッとMCが両手を広げたポーズを決めて降り立ったそこは、明るい太陽の下、人間界の、コンビニ、と呼ばれるお店の裏だった。

    「こんなピンポイントで移動出来るようになったんだね」

    三界を行き来するだけでも相当の魔力が必要なのに、場所まで指定出来るなんて、魔力に加えて技術も必要だ。
    知らないうちにそこまで出来るようになっていたとは、やはりMCは、留学生になるべくしてなったのだな、と納得した。

    「さてと、ポッキー買ってー…っと……はっ!」

    手を繋いで店の表へ回り、自動ドアを入った途端、MCが大きく息を飲む。

    「どうしたの?」

    訳がわからずMCの顔を見ると、MCが慌てた様子で、外套で俺の体をぐるぐる巻きにしてしまった。

    「シメオン!着替えずに来ちゃったから、店員さんの視線が痛いっ!サッと買って出よう!」

    言うやいなや、入口にあるカゴを取り、同じような箱型のお菓子を片っ端からカゴに投げ入れていく。
    俺は、ぐるぐる巻きで身動きの取れないまま、慌ただしく動くMCをただ見つめていた。

    「え?そんなに変かな?俺の格好」

    俺はもう何百年とこの格好で、誰からも指摘されたことはない。
    そもそも、天界は常に日が昇っていて暑く、これぐらいがちょうどいい。

    「シメオンはね、何百年とそれ着てるからわかんないんだろうけど、それ、人間界では捕まるギリギリだからねっ」

    「そうなの?じゃあ、しょうがないね」

    ただ、俺のせいでMCが大変な目に遭うのは避けたいので、俺は、なるべく目立たないようにしようと心の中で誓った。

    「俺ん家すぐそこだから、ほらっ、ダッシュ!」

    「わわっ、待って!」

    会計を済ませたMCが、俺の手を取って目の前の横断歩道をダッシュする。
    それと同時にぐるぐるに巻かれていた外套が解け、ヒラヒラと風に舞った。
    コンビニから走って五分ほどの所に、MCの住んでいたアパートがあった。
    女の子の家を転々としていたと言うだけあって、生活感はまるでない。
    ただ、ベッドとテーブルがあるだけの、寝に帰るだけのワンルームだった。

    「はぁぁぁーー…」

    「は、走ったね」

    玄関を入って、二人で部屋に倒れ込む。
    あんなに全力疾走したのはいつぶりだろう。
    寝転んで向かい合いながら、お互い深呼吸をして息を整える。

    「走ると、外套がヒラヒラするからまた注目浴びちゃって…」

    昼間ということもあって、たった五分の距離にもかかわらず、すれ違う親子連れや奥様方にギョッとした目で見られてしまった。
    十一月、季節はもう冬に差しかかろうとしている。
    そんな時期にこんな格好で出歩く人はいないようだった。

    「魔界でも天界でも誰も何も言わないから、あんなにジロジロ見られたの、初めてかも」

    天界も魔界も、みんなこんな服装ばかりだったから、自分が際どい格好をしているという自覚がなかった。
    けれど、人間界では、みんな肌を隠している。
    そう思うと、これが当たり前の世界から来たMCには、魔界での生活はさぞ衝撃的だったことだろう。
    そんなMCと正反対の衝撃を受けたことに、代わり映えのしない人生の中で数百年振りに感じるこの感覚が嬉しくなってほくそ笑んでしまった。

    「…でしょうねぇ、えぇ」

    「で、ポッキーってどんなの?早く食べたい!」

    呆れ顔のMCをよそに、俺はポッキーという人間界のお菓子が気になって仕方がなかった。
    MCから聞く人間界の料理やお菓子の数々はとても魅力的で、どれもおいしい。
    棒状とは聞いていたけれど、どんなサイズで何味なのか、期待が膨らむ。

    「ほら、これだよ。奮発して全種類買ってきたから、ポッキープリッツパーティーしよう!」

    MCが、コンビニの袋を逆さにしてガサガサと山盛りのポッキーとプリッツを出す。
    袋から出てきのは、同じサイズの色とりどりの箱たち。
    そこに、確かに棒状のお菓子のイラストが描いてある。
    チョコ味にバター味に…サラダ味?
    ナッツがついたつぶつぶのものもあり、同じ形状なのにこんなに種類があることに驚いた。

    「じゃあ、お茶淹れるね…って、MCんち、お茶、あるの?」

    俺は、お菓子に合うお茶と淹れようと席を立つ。
    が、必要最低限の物しか用意されていないこの部屋にお茶の道具があるとか思えなかった。

    「あ…。コンビニでペットボトルの紅茶買ってくるから、シメオン、ここで待ってて!これ以上、この格好で外出たら通報されちゃうからっ」

    「う、うん、わかった」

    MCが、立ち上がろうとする俺の肩を押さえて立ち上がる。
    恐らく、この部屋にお茶はないのだろう。
    案の定、MCがまたコンビニまで行くと言うので、俺は大人しく部屋で待つことにした。
    MCが部屋を出てから、しばらくは山盛りのお菓子の箱を眺めていた。
    が、ついに我慢が出来なくなって、一番上に乗っていた、「冬季限定」の茶色いパッケージを開けてしまう。
    「冬のくちどけ」と書いてあるそれは、袋から出すと、チョコレート部分にココアパウダーがふんだんにまぶしてあり、ひと口かじると、「冬のくちどけ」の名にふさわしく、チョコがフワッと溶け出して甘くてほろ苦い味が口全体に広がっていく。
    ポキポキと折りながら食べる食感も楽しく、つい、二本、三本と手が進んでしまう。

    一袋食べ終えたところで、ガチャリと玄関で音がした。
    MCが帰ってきたようで、ダッシュしたのか荒い呼吸が聞こえる。
    そちらを振り返ると、コンビニの袋を提げたMCが、笑顔でこちらにやってきた。

    「ただいまっ!…って」

    テーブルに袋をドサッと置いたMCが、テーブルの上を見て一瞬動きを止める。
    そこには、開封済みの箱が一つ、そして、空っぽの袋が、一つ。

    「ごめん、待ちきれなくて食べ始めちゃった。おいしいね、これ」

    同じようにテーブルの上を見つめたあと、MCを見上げて微笑みながら舌を出すと、MCが一気に破顔する。

    「もー、ずるーい!それに…」

    急に手を差し出されて、俺は一瞬ドキッとする。
    頬に手を添えて、キスでもされるのかととっさに目をつぶると、親指が唇の端をなぞって離れていった。

    「…?」

    「ココアパウダー、ついてるぞっ」

    そう言いながら親指を舐めるMCが少し色っぽく見えて、それに加え、全く気付かずにいた自分が恥ずかしくて、頬が熱くなる。

    「わ、恥ずかしい…」

    「シメオン、そーゆーところ、お子ちゃまなんだからー。はい、お茶」

    「ありがとう」

    思わず両手で頬を隠すと、 MCがニカッと笑って、買ってきたペットボトルの紅茶を渡してくれた。
    俺はそれを急いで受け取り、ゴクゴクと勢いよく飲んで自分を落ち着けた。

    「じゃあ、んっ!」

    ふたたび、向かいに座ったMCが、箱に残っていた袋を開け、持ち手のはずのチョコのかかっていない方を咥えて俺に顎を突き出してくる。

    「なに?」

    訳がわからず首を傾げると、MCがある提案をしてきた。

    「ポッキーゲーム、しよ?」

    「ポッキーゲーム?」

    「お互い両端から食べていって、恥ずかしくなって折っちゃった方が負けね」

    そう言って、MCが再び、顎を突き出して、ポッキーを咥えるように催促する。

    「えっ…こんな…距離、近いよ」

    ポッキーの端と端とはいえ、それはキスの直前ぐらいに近く、同じ物を咥えているので、視線を上げるとMCとバッチリ視線が合ってしまう。
    思わず視線を逸らすと、MCが鼻を鳴らしてご機嫌な様子が見なくてもわかった。

    「ふふーんっ。恥ずかしがり屋のシメオンは耐えられるかなー。じゃ、はじめっ!」

    合図と同時に、MCがモグモグしながら俺の方に近付いてくる。
    その勢いに、俺は一口も齧ることが出来ずにただただ受け身の体勢を取るしかない。

    「ん…んんっ…え、えむひ…ちか…ちかい…」

    「ふんふふーん…ん…んんっ…んっっ!」

    鼻歌を歌いながら、あっという間に鼻のぶつかる距離まで接近したMCは、あと一口というところで一度動きを止める。
    すっかり戦意喪失していた俺は、何事かと目を丸くしたが、すぐに、俺の咥えた欠片を残して、大きな口を開けると、俺の唇ごとかぶりついた。
    舌で押し込まれた最後の一欠片が俺の口の中で溶けていく。
    トロトロに溶けたチョコとプレッツェルが二人の唾液と混ざり合い、俺の喉に流し込まれた。

    口の中を掃除するように、MCがくまなく舌で口内をなぞっていく。
    もはや、なんの勝負をしていたのかも忘れ、俺はただ、与えられる刺激に頭がぼんやりしていくのを心地よく感じていた。

    「んんっ…ふっんん…ん……ぷはっ!」

    勢いに押され、散々口内を舐め尽くされたあと、満足したのかパッと唇が離れる。
    既に体の力が抜けるぐらいトロトロに溶かされた俺は、ポッカリ空いた唇から足りなくなっていた息を吸い込むだけで精一杯だった。

    「はいっ、シメオンまで食べちゃったから、俺の勝ちねっ!」

    「そ、そんなルールだったのっ!?」

    少しチョコの色が残った唇を舐めながらニヤリと笑ったMCの口から出た思わぬ言葉に我に返る。
    そんなこと、最初に言ってたっけ?
    そう思いとっさにMCに確認すると、とんでもないセリフが返ってきた。

    「今、作った」

    「何それー!」

    やっぱり。
    MCはズルい。
    そうやって、いつも俺を翻弄する。
    でも、それが嫌いじゃない自分がいるのも事実だ。

    「じゃあ、もっかいする?」

    「する!」

    頬を膨らます俺を見て、MCがもう一本、袋からポッキーを取り出して差し出してくる。
    悔しさでいっぱいの俺は、勢いのままその先端を咥えて、臨戦態勢に入る。
    今度は負けない!
    MCの唇に触れるまで食べちゃえばいいんだよね?
    そんなの、簡単だよ!

    「よーい、はじめっ!」

    MCの合図とともに、先ほどとは反対に俺が鼻息荒くポッキーを食べ進める。
    一方のMCはというと、チョコのついていない持ち手の方を咥えたまま、ただニヤニヤと俺を見ているだけだった。

    「んんんっ…んんっ…ん…ん……」

    ポキポキと軽快に食べ進めるうちに、ポッキーは半分、三分の一と順調に減っていく。
    やがて、MCと鼻先が触れ、ポッキーだけを見続けていた視線を上に上げると視界いっぱいにMCの顔が映った。
    これ、キスの時の距離だな…。
    そう思ったのとほぼ同時に、そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、さっきまでニヤニヤしていたMCが急に真顔になり、本当にキスをするように薄く目を閉じ唇をすぼめる。
    俺は、さっきのキスを想像せざるを得なくなり、頬に熱が集まって、ポッキーを食べるのをピタッとやめてしまった。

    「…どしたの?シメオン。あと一口だよ?」

    キス顔のまましばらく様子を見ていたらしいMCが、ゆっくり目を開けて俺に問う。
    表情には出さないようにしているが、明らかにこれは弄ばれている。

    「むぅぅ…」

    悔しいとは思うものの、最後の一口がなかなか進めない。
    日頃も、MCからは隙を見てはキスの嵐が降ってくるが、自分からしたことはほとんどないのだ。
    それが、こんなに待ち構えられてするほど恥ずかしいことはない。

    「俺、食べちゃうよ?」

    恥ずかしさで涙が溜まってきたところで、MCが追い打ちをかける。
    すぼめていた唇を大きく開けて、今にもガブリといきそうな顔をした。
    でも、今度こそ俺が勝つと決めた以上、MCに先を越されるわけにはいかない。
    俺は、意を決して、最後の一欠片に噛みつき、その勢いでMCの唇に軽く触れるだけのキスをした。

    「むぅぅぅ……んんっ!」

    「ん。あれ?おしまい?」

    俺が離れると、MCが目を丸くする。
    確かに勝負は決したはずなのだが、なぜ、そんなに驚いているのだろう。

    「え…違うの?」

    「違うよー」

    俺が首を傾げると、MCが待ってましたとばかりに机に体を乗り出してくる。
    何をされるのかと身構えたものの、ガッチリ後頭部を掴まれてしまうと身動きが取れず、そのまま、MCの口に残っていたプレッツェルの欠片を押し込まれ、再びガブリと唇ごと噛みつかれた。

    「んんっ…はっぁ…待って…んん…ふっんん」

    無防備だった口内を蹂躙され、舌で舌をくすぐられる。
    下唇を吸われ、チュパチュパと鳴る音に、耳まで敏感になり、頭が痺れる。

    「…言ったでしょ?相手も食べたら勝ちだって」

    皿まで舐め尽くすように、最後に俺の唇を丁寧に舐めてからMCが離れていく。
    唇が腫れるぐらいのキスをされ、頭だけでなく唇までもがジンジンする。

    「た、食べたらって…」

    クラクラして、回らない頭と舌で反論しようとするが、深いキスを二回もされてそれどころではないことは、俺以上に向かいに座るMCの目には明らかだろう。

    「じゃ、二回とも勝ったから、シメオン食べちゃおー」

    そう言うやいなや、MCが椅子から立ち上がり、へたり込む俺をサッと横抱きにしてベッドに運ぶ。
    MCの腕の中でジタバタしてみるが、抵抗虚しく、テーブルからたった三歩でベッドに放り投げられた。
    そう、ここは人間界の狭いアパート。
    殺風景な部屋には、テーブルとベッドしかない。
    いつもの魔界の部屋とは違う、MCの本来の住処。

    「えぇっ!?ま、待って!ここ、人間界、だしっ…」

    「そーだよ?あ、ここ、壁薄いから声抑えてね?」

    容赦なく俺に跨り覆いかぶさってくるMCは、楽しげにニンマリしながら俺の唇に人差し指を押し当てる。
    その様子は、制止しているように見えて、俺が声を抑えられなくなるのを期待しているようにも見えた。

    「そ、それもだけど…そ、そーじゃなくてっ」

    俺は、ただ一緒に人間界のお菓子を食べに来ただけで、夜には魔界に帰るとばかり思っていた。
    けど、このままなだれ込んでしまうと、きっと今日は帰れそうにない気がする。
    ソロモンにもルークにもそんなことは言ってきてないし、心配させてしまうかもしれない。

    「あぁ、明日帰ればいいんじゃない?誰も気にしてないって」

    俺の心を読んでいるのか、MCがサラッと答えを出してしまう。
    確かに、二人の関係はみんなの知るところだけれど、本当に、気にしているのは俺だけなんだろうか。

    「えっ…あっ…ちょっ…あっっ…ああぁんっ!」

    俺の考え込む様子を見たからなのか、気にするなと言わんばかりにMCが首筋に食らいつく。
    チュッチュッと音を立てて吸われると、次第にさっきまでの悩みごとなどどうでもよくなってくるのが不思議だ。
    堪えきれずにMCの背中に腕を回すと、俺の胸元でフッとMCが笑ったような気がした。

    結局、俺はそのまま、壁の薄いMCのアパートで、必死に声を抑えながら、体の隅々までMCに食らい尽くされた。
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