1月のクリスマスプディング1年に1度の生まれた日、誕生日なんてただの形式的なものだった。他人にわざわざ誕生日だということは言わないし、知っていても会いに来て祝うなんて、相当親しい仲ではないとしない印象があった。
自分が誕生日という日に対してそう特別な感情を持たないのもあって、他人の誕生日もそう気にする様子もなく、自分の利益になる場合のみプレゼントや食事の機会を設けていた。1年、365日の中のたった1日。それがなんだと言うのだろうか、別にその一日前、1日後と世界はなんら変わることはない。そう思っていた。
「零今日誕生日やろ?盧笙の家で呑みするから来いや〜、とりあえず20時集合な!遅刻すんなや!」
メッセージアプリに打ち込まれた言葉。天谷奴はスマートフォンのカレンダーを見返す。特に予定もなく、丁度酒が飲みたい気分だったので快く、
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