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    篤寛、🌻がうさぎになった小話。

    #篤寛
    AtsuHiro

    うさぎが一匹日車がうさぎになったとの報告を受け、頭の中にハテナマークを乱発させながら医務室に向かう。近年呪いは細分化傾向で御三家の相伝の生得術式以外にも日車や秤のようなその本人にしか使いこなせない術式、今回のような実用性の低い謎なやつまで多種多様で正直対策が事後処理の状態である。
    「日車、大丈夫か?」
    ドアを開けるとベッドに腰掛けた日車と目が合う。人の姿をしているので正直拍子抜けした。
    「なんでぇもう呪は解けて………ないな」
    「耳と手足と尻尾が元に戻らないんだ」
    「みたいだな」
    日車の頭の上には2本の長いうさぎの耳が生えている。そして手と足はそれぞれ手首足首から先がうさぎのそれだ。靴が履けないので大きめのサンダルを突っ掛けている。
    「尻尾が邪魔でスラックスが履けないんだ」
    「それで入院用ガウン……」
    「さっきまで目の虹彩が赤かったらしい」
    「うん……」
    「失礼、日下部さん呪の元である呪霊は祓われたそうです。あとは日にち薬ですし、日車さんを連れて帰ってしばらく自宅待機でお願いします」
    「あいよ。家入もお疲れさん」
    とりあえず車で帰るにしてもガウンのままでは目立つので、コートを貸してやる。
    「すまない」
    「こんな日もあらーな。ほんで体調は?飯とか普段通り食えそう?」
    「……生野菜が食べたくて仕方ない」
    「その辺は普段と変わらねえな…」
    そう笑ったら、でかいうさぎの足で蹴られた。





    とりあえず帰宅。日車は体調が悪くなったのか、帰宅早々ふらふらした足取りで寝室に消えた。あれだけ大きく身体が変化しているんだから、平然を装ってあるけどそれなりに負担があるんだろう。必要そうなものを適当に買い出ししてくるから寝とけと伝える。
    頬がほんのり赤い。熱あるのか?大丈夫かと横になっている頭を撫でてやる。
    「…日下部……身体が変だ…」
    「熱計るか?」
    「動悸が止まらない」
    「マジか…吐き気とか頭痛は?」
    「それは大丈夫だが……その、」
    日車は言いにくそうに目を逸らす。
    「………その下が……屹立していておさまらない………」
    「キツリツ?…………………勃起て事?」
    こくりと日車が居た堪れなさそうに頷く。は?え?キツリツって屹立?勃起?なんで?
    「うさぎの本能的なものかと。それと………」
    「おん」
    「コート……」
    「おん?」
    日車はこれ以上は説明できないとでも言いたげにシーツを引っ張ってきて潜ろうとする。
    「待て待て最後まで話せ流石にわけがわからん」
    「鈍感…」
    「あぁ!?」
    「君の匂いが……するから、…………コート」
    ガベルでぶん殴られたような衝撃が走る。実際には殴られていないが、それくらいの測定不能レベルの衝撃があった。それが直撃したのに破裂しなかった自分の頑丈さを誉めたい。
    「君でいっぱいで…あたまが変になる……」
    追撃はやめて!!!!無理!!!!!!
    「──ッ日下部!?」
    耐えきれずにシーツごと抱きしめて額につむじにキスの雨を降らす。長く伸びた耳の付け根に鼻先を埋めて吸い込むと、甘くて野蛮な獣の匂いがした。
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    ガ ネ

    DOODLE虎日と篤寛どちらも未満。大人達が話しているだけの小話です。
    空欄・特記事項無し俺が日車寛見について知っている事……天才、T大法学部卒、弁護士、少食、酒はそこそこ強い、生真面目、無表情、三白眼、仏頂面、笑顔が怖い…けど意識せずにふっと落としたみたいに笑うと意外と可愛い。あと虎杖の事が大事らしい。
    死滅海游の最中に伏黒姉を救う為に点のやり取りをしたとかで虎杖は随分と日車に感謝していたし、日車は日車で「彼のおかげで初心に還れた」と言っていた。勝手に術師にさせられてバケモノだらけのあのデスゲームに放り込まれ、そして勝ち抜いて生き残った天才。それは俺には解らない次元の話であったし、そもそも一度会っただけの人間に協力した挙句に命まで懸けれるなんてお人好しにも程があるだろうと思った。
    それはそれとして、俺から見た日車の第一印象は『陰気な奴』だった。スーツにネクタイをキッチリと着込んだ顔色の悪い男。宿儺と闘うに当たって協力してくれるのは有り難かったが、つい先日まで一般人で呪術界のルールや呪霊のあれこれも覚えたての奴を最前線に送り込む作戦はいくら本人からの進言だとしても正直非道だと思った。そこまで人に惜しみなく協力してくれるからには人当たりがいいのかと思いきや、日車は鍛錬の時間以外は1人でポツンといる事が多く、唯一の旧知である虎杖に対してもどこかよそよそしく目線を外して会話をしていた。人と対話をするのが主な職に就いていた割には孤立しがちで、皆が集まっている飯時の食堂でもよく1人隅の方に座ってもそもそと飯を食っていた。非道な作戦に利用する手前、できるだけ日車に情は移したくなかったし、皆仲良くしましょうと綺麗事を言って面倒見よくするのも性に合わない。だから、あの時あいつに声を掛けたのは本当に気まぐれだったと思う。
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