魔法AU進捗 スティーヴンが目を覚ましたのは、朝早く、まだ日も登りきらない頃だった。
薄明るい部屋の中で小さく欠伸を零し、目を擦りながらむにゃむにゃと周囲を確認する。穏やかな寝息を立てる子どもたちはまだまだ夢の中にいるようだった。
種類は違えど、彼らと同じように昨夜の自分も緊張や不安でいっぱいになっていた。だからきっと今夜は眠れないだろうななんて思っていたのに、ベッドに飛び込むや否やあっさりと眠りに落ちてしまった自分につい笑みが漏れる。緊張に晒された子どもの身体は思っていたよりも疲れていたのかもしれなかった。
同室の少年たちを起こしてしまわないよう気を付けながらベッドから抜け出す。確か大広間には何時に行っても良いはずだったから、先に向かって三人分の席を取っておきたかった。
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