Unknown④ 布団に横たわって視界を閉じて、自分の中に入り込んで、呼吸の音だけを聞きながら開いた思考。
僕は先輩のことをどう思っているんだろう。
好きか嫌いで二分するなら間違いなく好きだ。少しでも嫌いの分が多ければ一緒に──ともすれば命を預け合う状況も有り得る──仕事なんて出来やしない、したくない、そこまで捨て鉢じゃない。
じゃあどうして好きに分類される?
それは先輩が強くて、仕事だって出来る、頼れる人だから──だよな、そう、そうだ。
それはずっと変わっていない。多少の違和感を抱き始めてからも業務に支障は全くなかったのだし、僕が気付いた変化だって無視しようと思えば出来るものだった。なにせそれはどれも、他の人は全く気に止めない程度のものだったのだから。
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