話を聞け「お願いだよ荒ちゃん、機嫌直して」
「なんで俺が機嫌悪いことになってんだよ。どっかいけよ」
「・・・」
ズカズカと大股で歩いていく荒仁を見送るしかない真宝。
言い方がまずかったのか、それとも本当に嫌だったのか。
***
廊下。売店で買ったパンを抱えてあるく駒男の向かいから大股で荒仁が歩いてきた。
「荒ぴょんどったの~めっちゃご機嫌斜めじゃん」
「俺はいっつもこうだろ。なんだよ」
「どう見てもいつもより眉間にシワ寄ってんぜ~~真宝となんかあった?」
「なんでそこで真宝が出てくんだよ…!!」
機嫌の悪さが目に見えてあがる。駒男はおっと、と空気を察して荒仁から離れる。
待ってよ、と少し遅れて真宝が追いかけていく。
「ほっとけ。クソキモい理由だ」
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