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    katakuriko894

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    katakuriko894

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    混沌の狂ったツシマの符梨鬼柚亜奇譚進捗。とてもひどい。

    「違う。そうじゃない」
    「え」

    やっとこさ蒙古共を倒して戻ってみれば、神妙な顔でそんな事を言い放った、さっき助けた筈の鍛冶屋のたか。
    凄い頑張った修行を全否定された弟子みたいな気分になり、仁は少ししょんぼりした。

    「方向性が違うんだよな……鎧はボロボロだし、血生臭いし……こう、符梨鬼柚亜にはもっとファンシーとキラキラが必要なんだよな…」
    「きらきら」

    意味は分からないのにぐさぐさと鋭い言葉が突き刺さる。だが武士として言われるままでは体面のたの字もないし伯父上に申し訳が立たない。

    「お主、さっきから聞いておれば好き放題言いおっt」
    「申し訳ありません境井様。全部脱いでください」
    「ファ!?」
    「姉さんっ! 」

    ちょっとあまりの言い様に苦情申し立てしようとしたら、いきなり姉を召喚された。
    あいよ!っと言う声が背後から聞こえ、ガッと腕を掴まれた。力がつよい。つよすぎる。確かに初っ端から意識の無い男を引きずってったり一撃で兵を仕留めたりしてたので合点がいく。いやホントに力つよい。何なんだこの野盗。

    「いや離せ、ゆな。頼む。ちょっと離してくれ頼む力強い」
    「仁、今からアンタを符梨鬼柚亜にしてやるよ」

    何だか判らないが、仁にはその言葉が蒙古の軍勢より遥かに恐ろしいモノに感じていた。

    鍛冶場の中で褌一丁にされてしかも目隠しまでされた仁は、平静を装っているが若干鳥肌が立っていた。
    まさか四畳半の部屋に放り込まれて、懸賞で生きて行けみたいな事をさせられるのでは無いかと思ったからだ。
    その懸賞生活でかつての幼馴染は炊飯器を当てたらしいが、今はどうしているのだろうか。

    「境井様に足りないのは、圧倒的にキラキラだよ」
    「いや、フワフワだって。あと絶対センターだからピンクしかないじゃん」
    「姉さんこの前深夜特撮路線にするとか言ってたじゃんか」
    「あー、やっぱコア過ぎるからやめたわ。あたしはアマゾ●ズ派だけどな」

    いい加減、板の間に直に座った尻たぶが痛い。
    だが姉弟はそんな事お構いなしに白熱した議論を喧々諤々とやり合っている。
    痺れを切らして口を開いた。

    「お主ら、一体何を言っておるのだ?」
    「すいませんちょっと大事な会議なんで静かにしてください」
    「ちょっと黙ってて仁」
    「あ、ハイ」

    ぴしゃりと言われ、反射的に頷いてしまった。武士としたことが。

    「もっと胸を強調すべきだと思うんだよね。俺的には」
    「あたしは太ももだな。白ニーハイで」
    「じゃあ丈は膝上だね。パニエ用のフリル発注しないと」

    非常に不穏な単語が飛び交い、冷や汗がだらだら流れる。ここから逃げないと非常にまずいのではないかという警鐘がわんわん鳴り響いている。

    「……逃げるなよ」

    ドスの効いたゆなの声にビクリと肩を竦め、この場からの逃走は不可能と悟った。こわい。

    「お待たせしました。境井様。方向性が決まりましたので、新しいコスチュ…鎧をお作りしますね!」
    「待て、今こす何とかと申したであろう!俺は……もるすぁ!」
    「少し寝てな」

    首筋に凄まじい一撃が入り、意識が暗転した。その刹那思い出した。そう言えば、石川先生に会いに行かなければいけないのだった……前に三千円貸してるし……。
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