花〇しき遊園地デートネタ「私はここで見ているので。鯉登少尉一人であの馬に乗って来てください」
「何を言う月島。せっかく二人で乗れるものがあるのに」
うきうきしていると、見るからに分かる様子で鯉登が指を差しているもの。
華やかで派手な飾りを施された作り物の白い馬がくるくると回転している。その屋根も煌びやかに装飾されていて、さらには音楽まで流れていた。他の遊具と比べてもひときわ華やかである。
その中にある馬車に二人で乗ろうと、先程から鯉登は言っている。
「こういうものは、私には似合いません」
本人も、私にぴったりではないか。と、言っていた通り。鯉登ならこの空間の中に居ても負けない華やかさがあるだろう。自分は確実に浮く。というか、これに限らずこの園全体、遊園地とやらそのものが自分では浮いてしまう存在に思えてならないのだが。
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