お題のやつ1意識朦朧/服越しに舐める/口説き落とす
無被と言うよりも理←無←被って感じな気もする
ーーーーーーー
被虐視点
雨戸を激しく叩く雨の音で目が覚めた……
ちらりと時計を見ると時刻は深夜2時。
ひたりとベッドから降りて彼の眠る寝室へと足を運ぶ。
こんなひどい雨の日の夜、無能君は決まって魘されているから…。
無能君の部屋の扉を開けるとベッドの上に脂汗をかきながら魘されている彼の姿が目にはいる。
ベッドサイドに腰をかけながら
被「無能君…大丈夫???」
無能君の汗で張り付いた前髪をかきあげながら優しく声をかけた。
無「うぁ……いた……い……」
自身のシャツの胸のところを掴みながら、
朦朧とした意識の無能君が僕に助けを求めるようにすがりついてくる。
何度か無能君の肌を胸の傷痕を見たことがあった。
その時は無能君も「だんだん傷跡も薄くなってきているし大丈夫」っと彼は笑って言ってはいたが…
機密警察によって付けられた胸の傷は見た目だけではなく精神的な部分にまで深く広がっているのだろう。
酷い雨の夜にはその傷が痛み、こうやって彼の安眠を妨げるのだ……。
無「……ッ……ん…。」
無能君が何か伝えようとしているのか、薄い唇が動いている?
被「無能君なぁに?」
優しく聞き返してみる。
無「……ん、さい…か……ちゃん……」
身体の心が冷え切っていくような
冷水をかけられたような、そんな気分だった。
機密警察から記憶を消されて生還した無能君は
ずっと理想さんを身代わりに生き残ってしまったと思い込んで生きてきたらしい。
せっかく理想さんと感動の再会を果たしたと思ったらSPXに殺されちゃって
その上、憧れていた探偵同盟は自分を誘拐した組織で理想さんは無能君の代わりに組織にコマとして使われていたんだもん……。
無能君は知ってしまった
全部僕のせいでッ…僕があんな事したからッ!!
探偵同盟(機密警察)を壊そうとしたこと、
悩める人を救ったこと、
全部間違ったことだとは思ってない。
でも、無能君を傷つけたい訳じゃなかった…
僕がなんて声をかけたらのさ……。
どう頑張っても今更どうする事もできない。
まして、彼の心の中の理想探偵と言う存在を奪い去ることなど、到底出来ないのだ。
か弱い振りをして彼に取りすがって見る?
恋慕を愛を囁いて気を引いてみる……?
気の優しい彼は僕に流されてくれるかもしれない
いっそ、恨み言を言われた方が気が楽だ…
被「傷痕みたいに…全部消えていっちゃえばいいのに……」
そんな事を呟きながら、結局直に傷口に触れる勇気もない僕は、シャツの上から傷痕に口付ける事しか出来ないのだ。