「キース! キース! 起きて!」
ゆさゆさと強く体を揺らされれば、流石のキースも目を覚ます。眩しい電気から目を守り、心底嫌そうな声で返事をした。
「……んだよ……」
「なんか変なんだよ! テレビが壊れた!」
「通販の見過ぎなんじゃねーの」
「いいから見てよ!」
ゆさゆさを通り越してぐわんぐわんと揺さぶられ始め、流石にこれ以上は勘弁だと目と耳に注力してみれば、確かにおかしいことが起こっていた。
『今日の運勢、ナンバーワンはおうし座のあなた!』
テレビの中では、可愛らしいキャラクターのアニメを背景につらつらと意味のわからない文字が踊っている。ここまでの文字化けは放送事故レベルだろうに、テレビの向こうでは焦った様子のひとつもない。
5650