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    ななみ

    @nanami_xH

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    ななみ

    MAIKINGゼロぴとディが分裂、割と仲良し世界線のこと考えてた。
    導入しかない。
     星の見えない空の下に咲いた傘を、バラララ、と雨が重く鳴らす。まるで散弾銃だ、生でその音を聴いたことはないけれど――と、蓋を被せられたように重く暗い空を見上げてはあ、と息を吐いた。そこそこ寒い今日ならば吐いた息が白くなって昇っていくだろうと予想しての事だったのに、その音は姿を現さずにただ静かにどこかへと消えて行ってしまった。なんでも思い通りにはならないものだ。
     ただ、それでもフェイスは機嫌がよかった。フェイスの口から次々に溢れだす、雨に紛れて溶ける鼻歌は勲章だ。
     事の顛末はこうだ。
     いつものようにフロアを盛り上げていたら、誰かの付き添いなのだろう若い男が後ろの方で腕を組み、俗に言う地蔵になっていた。当然知らない男だが――だからこそだろうか、つまらなさそうな男が妙に目に付きなんだか面白くなくて、即興で曲を組み替えたのだ。男のファッションや僅かに見える機微を観察し狙い撃ちにしていけば、男もだんだんと楽しくなってきたのか腕を降ろし、すぐそばのテーブルに置いていたドリンクを一気に飲み干し、騒がしくて楽しい輪の中へと一歩踏み出した。
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    ななみ

    MOURNINGディとジュ。もしもあとちょっとだけ、の世界に触れたディと、かっこいい(かわいい)ジュ。
    ディが仲間を殺した世界線に触れています。解釈違いの可能性にお気を付けください。
    これでも………削ったんです………!!!
     イエローウェストにある大きい遊園地にサブスタンス反応が出たのが1時間前。その情報がアナウンスされた時にちょうど一番近くにいたディノとジュニアが急行することにしたのはそれとちょうど同じ時間で、そのあとに遊園地のスタッフから通報があった。曰くミラーハウス迷宮の中にあるそうだ。



     普段立ち入ることはできない従業員用通用口から園内へと入れば、思ったよりもそこは穏やかで大きな混乱はなさそうだった。ただ、ロックサウンドで奏でられる園内BGMや喧騒は聞こえてくるものの、いつもは聞こえてくるはずのジェットコースターに振り回される人の悲鳴は聞こえてこない。スタッフに事情を聞いたところ、影響が出ているのはミラーハウスだけだが、念のために全アトラクションを封鎖して代わりに売店とグリーティングを強化しているらしい。迅速な通報と判断ありがとうございます、といつもの定型文を心を込めて告げたあとに、きゃあ、とあちこちから女性の声が聞こえた。ちら、とそちらを見れば目を逸らされて首を傾げた後ぴんと思い至る。
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    ななみ

    DONE・ディとフェが夜中にぽつぽつとおなはしする話。
    ・Twitterで上げて、pixivに上げて、せっかくなのでぽいぴくにも。
    ・『怖がれる』っていいことだと思います。
    ミッドナイト・ブレス ふ、と目が覚めた。霞む視界をしばらく放置して自然とそれが晴れるのを待つ間、今の自分の状況を把握することにした。そうだ、たしかウエストセクターのみんなで映画を見たのだ。

     相当昔な気がするが実はまだ数ヶ月前である、復帰前の監視期間。あの時期は復帰に向けてヒーローとしての勉強をしたり、友人や後に後輩となる人たちが遊びに来てくれたりして、あの狭い部屋なりに充実した日々だった。だが、それでも退屈を持て余すことが多かったのも事実だ。そんな時は、4年間の空白の期間にあった様々な流行りを見たり聴いたりするようにしていた。
     だが、それも足りなかったらしく今日のパトロール中に当然のようにジュニアが話題に出した映画をディノは知らなかった。別に流行ったものは全部見なければいけないわけではないけれど、ディノはそういった流行りを追いかけたいタイプなのでもちろんその映画にも興味を抱いたことを告げると、一瞬にしてテンションがハイになったジュニアが今夜にでも見ようぜ、と提案してくれた。
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    ななみ

    DONE・ゼロくんの日常
    ・pixivにあげていたものを再喝、エリオス初作品でした。
    ・4/1よりゲームを始めましたので、それ以前のイベストは把握できていません。そことの齟齬がある可能性がございます。
    ・ディノ・アルバーニの話ではありますが、洗脳状態の彼を中心に書いておりますので彼らしさはほぼありません。
    ・栄養バーやゼリーを無表情でもくもくと食べルバーニ見たい人生でした。
    夜明けは遠い ――とにかく、頭が痛い。今のディノの思考は3割がそれで埋まっている。1割でそれ以外の雑然としたものを処理して、残りは機能せずただ空白としてそこにあるだけだった。


     綺麗に揃えられた近未来的な白いコートと黒いヘルメット。それらを身に纏う人間が何人もいる光景は、他人から見ればどこか機械じみて不気味に見えているだろう。実際このうちのどれだけが人間なのか文字通り機械なのか、はたまた機械のような人間かなんて地上の人間には全く関係がないのだから、どう思われたところでどうってことない。身内や親友がいるわけでもあるまいし。そもそもディノ自身この組織がどういう者たちによって構成されているのか知らないし、この不気味な集団の中で自分がどれにあたるのか考えたこともなかった。これから考える予定もない。
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