夏祭りと高銀(高銀)「祭だーー!」
夕暮れ時の賑やかな囃子に紛れるのは、駆け出した下駄を鳴らす音。飛び跳ねるようにはしゃぐ白い頭を、高杉は後ろから見つめていた。
「高杉!早く行かねェとワタアメなくなっちまう」
「そんなすぐになくならねぇよ」
「かき氷とりんご飴も食べなくちゃいけねーんだぞ!」
「甘いものばっかりじゃねェか」
神社で行われる夏祭りは、この小さな村にとって数少ない娯楽だ。
規模こそそう大きくはないものだが、出店がひしめくように並び、多くの人で賑わっていた。
みんなで祭りに行こうと言い出したのは、松陽だった。
しかし、肝心の言い出しっぺに急用ができてしまい、桂もその手伝いをすることとなった。そこで仕方なく高杉と銀時の二人が一足先に祭りに赴くこととなったのだ。
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