そこにあるもの〜某焼き鳥屋〜
「え?今井くんを店長にですか?」
「おう。青山一丁目の店長クビになったろ。」
「あぁ、横領で…」
「そうそう。で、こないだの本部視察で、今井の心象がすごく良くてな。特別扱いで正社員登用して、店長にしようって話になったんだよ。」
「そうなんですか…」
「お前の方からざっくりとでいいから説明しといてくれ。まぁ俺も説明するけど。」
「分かりました。あ、ビールください。」
「お、兄ちゃん俺にもビールちょうだい。あと皮の塩4本ね。」
「あーい、お待ちください!」
「それにしても今井くんが店長か…。」
「寂しいか?」
「そりゃまぁ、オープンから一緒でしたからね。」
「まぁ、店長会議では同じエリアだから。お、サンキュ。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ今井くんの代わりはだれか来るんですか?」
「おぉ、女社員が来るぞ。」
「女の子か…。」
「なんだ、お前女苦手か。…まぁそうだろうな。」
「納得しないでくださいよ…。」
「そろそろ帰るか。ここのお代出してやっから、今井の説得頼むぞ。」
「分かりました、ありがとうございます…。」
自宅
「はぁ…飲みすぎた。」
「おかえりなさい!胃薬とポカリ用意しときましたよ!」
「…何で当たり前のようにうちにいるのかな。」
「え?冬樹さんと暮らすために決まってるじゃないですか。」
「俺、許可した覚えないけど。」
「だから言ったじゃないですか。俺の言うことには逆らえないって。マンションも引き払ってきたんですよ。」
「10億は…?俺の家に10億あるとか怖いんだけど。」
「銀行に預けて金庫に入れてありますよ。」
「そっか…」
「今日からよろしくお願いしますね♪」
「よろしく…」
「とりあえずお風呂入りましょう。沸かしてありますから。」
「うん。じゃあ先に…。」
「何言ってんですか。2人でですよ。」
「え!?」
「え!?じゃないですよ。洗いっこしましょう。」
「やだよ…。10個も離れてるんだよ?」
「歳の差なんて関係ないですよ!早く!」
「冬樹さんの背中、広いですね。」
「まぁ、運動部だったしね…んっ」
「ここでお母さんと繋がってたんですね、痛っ」
「今日はエッチなことしない約束でしょ!」
「そんなぁ…」
「さ、2人とも洗い終わったし、湯船に浸かろう。」
「はい!」
「広くしといて良かった…」
「逆に一人暮らしなのになんでこんなに広いお風呂にしたんですか?」
「犯罪者の1番の楽しみはお風呂なんだよ…ふふ…」
「自分で言わないで下さいよ…」
「さ、出よう。ビールとチーズが待っている」
「はい!」