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    おい、もう冬だぞ。
    前回のやつの第二話です。

    #仮面ライダーゼロワン
    maskedRiderZeroOne

    暑すぎてヒューマギアがエラー吐く話 第二弾 AIMS編 その日は本当に暑かった。来図市の最高気温は37℃を記録し、全国で熱中症患者が続出した。暑さで不調をきたすのは人間だけではない。優秀な冷却機能を備えたヒューマギアとて、流石にこの気温では動作に支障をきたすのである。

    とある雑居ビルの裏手

    「はい、はい、ええ、問題ありません。全員拘束しました。はい、現在彼らのサーバーを捜索中です。ええ、……ではまた後程、また連絡します。」
     早口に報告し、電話を切ったのは政府の対人工知能特務機関AIMSの若き隊長、刃唯阿である。今日は来図市内のとある雑居ビルにて、非合法なヒューマギア密売組織の摘発を行った。
     西日が差し込む路地を数名の部下を引き連れて数百メートル離れた駐車場へと向かう道中である。インターネット上で違法取引を行っていた密売組織は壊滅できたし、彼らの使っていた電子機器類も無傷で押収できた。ここから芋づる式に他の違法組織を洗い出すこともできると思うと気分は悪くない。彼女としては、今日の猛暑も対して苦痛にはならなかった。装備は暑苦しいが。
    「亡、本日の作戦は全て終了だ。ご苦労だった。」
     無線を通して車両で待機する技術顧問に呼び掛ける。彼の役目は車両から隊員たち全員の位置や建物の配置などを監視して、より効率的な行動案を組み立てること。現場での指揮はもちろん唯阿が執るものの、見通しのきかない屋内作戦では彼のアシストが不可欠なのだ。さらに作戦行動中に限って、AIMSの特権として周囲の監視カメラや信号機のシステムハッキングも許可されている亡は最早無くてはならない存在だといえる。
    「……。」
    応答がない。いつもなら承知しましたとかなんとか、律儀に返事を返してくるはずなのに。
    「亡?」
    不審に思って問いかけた瞬間だった。
    《♪♪♪!!!!》突如、イヤホンからあふれ出す大音量のMusic!
     思わずイヤホンを引っこ抜き、後ろを振り返ると部下たちが同様に顔をしかめて耳をさすっている。どうやら作戦行動用の無線チャンネルで流れているようだ。しかもなんだか聞き覚えがある。首を傾げながら唯阿は駐車場へと急いだ。そして、いやな予感を覚えた。
     今日は猛暑だったのだ。唯阿達は屋内での作戦だったから、それほど苦しまなかった。でも、バンは屋外の駐車場に停めた。あまり現場近くに置くわけにもいかず、少し離れた、屋根のない、駐車場に。炎天下の車内温度で肉が焼けるとかなんとか、そんな動画をつい先日見たような、そんな記憶がよみがえってきて顔が引きつるのを感じ、唯阿は走り出した。
     音楽は鳴り続けている。これはたしか、少し前に見ていたテレビドラマの主題歌のピアノアレンジ版だ。そういえば亡にも1話だけ見せたような。
     駐車場に着いた。バンが見える。
     「亡!」
    無線の返事はない。あと数メートル。
    音楽は鳴り続けている。やたらと上手い演奏だ。どの音源だろう。
    「亡!」
    バンのドアに飛びつく様にして開けた。途端、顔に感じる猛烈な熱気。そして。
    「……は?」
    そこには、一心不乱にキーボードを叩き、曲を奏でる技術顧問の姿があった。

    ―――「申し訳ありませんでした……どうか忘れてください……」
     自らの奇行に激しく落ち込んだ亡を励ましつつ、バンの空調の修理費用請求メールを送信した唯阿は、彼に精密検査を受けるように命じた。技術顧問が不調では困る、任務に支障をきたすわけにはいかないからだ。でも、唯阿は忘れるつもりはない。なんせ演奏は凄く上手かったし、キーボードを叩く彼は見たことがないくらい楽しそうだったから。
     なお、バンのパソコンにいつの間にかインストールされていた楽器演奏ソフトはほかのどの隊員が触っても、使いこなせずいつの間にか削除されていたという。
     
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