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    遥かな未来でゲントを想うブレーザーさんのお話(再掲)

    緩めの死ネタ注意
    捏造注意

    #ウルトラマンブレーザー

    星は遥か 眩い光と共に銀色の巨人の姿は消え、一人の男が現れた。宇宙に浮かぶ小惑星のゴツゴツとした表面に立ち、男はズキズキと痛む左腕を見つめる。久しぶりの激しい戦闘だった。あちこちの小さな傷口から青白い結晶体が覗いている。まだほのかに熱を宿した左手には、ボロボロのブレスレットと指輪が光っている――
    先程までは本当に光り輝いていた。これらを贈ってくれた、大切な人達を思い浮かべて男は深く息を吐いた。

     黒い髪に浅葱色の上下、ツバ付きのキャップ。彼は今、かつての相棒の姿をしている。この姿を好んで取るようになってもうどのくらい経ったのだろうか。弱く小さい人の姿なんて彼には必要無いのだが、どうにもこの姿が落ち着く。あるいはこの顔を、この手を、この身体を忘れたくないのかもしれない。初めて出会った時、初めて触れた相棒の手の形が、今は自分の手になっている。

     かつて自分と歩むことを選んでくれた相棒は、遥か彼方に去ってしまったのだ。あの日「もう離すなよ」と繋いだ手は、しかしお互いの時間の差に引き剥がされてしまった。仕方のないことだ、彼は悠久の時を生きる巨大な存在で、相棒は小さな星に生きた小さな命だったから。地球人にしては大柄で、力強かった相棒が次第に衰えていくのをそのポケットの中でずっと感じていた。
     
     相棒は去り際に彼に2つの家族の証を託してくれた。もうお前も俺の家族なんだよと、そう言ってくれた。それ以来、彼は相棒の姿を好んで使うようになった。以前は擬態なんてしなかったし、その必要もなかったけれど、相棒がいなくなったのを感じた瞬間にそうしなければならないような気がしたのだ。そうしていれば相棒が真にいなくなることは無いと、いつまでも誰かの記憶に留まることができると思ったのだ。
     相棒が守った星を、もう彼が守ることはない。地球人達は充分に自らの力で戦えるようになった。かつて彼とともに戦った機械の獣も、とうに後継機にその座を明け渡し役目を終えた。地球上に相棒を覚えている人が居なくなった時、彼はその星を去ることにした。元々宇宙の狩人だったのだ、今更一つの星にとどまり続ける理由は無かった。どこへ向かうのか、彼自身にもよくわかっていないけれど、たった一つ確かなことがあった。命を守る、ということ。
     宇宙を転々としながら誰かを助け、邪悪に立ち向かう日々だ。あの星によくにた星もいくつも見た。だけど、あの相棒のような存在に出会うことは無かった。

     昔を思い出していた彼は、すぐ隣に熱を感じて顔を上げた。明るい空色の瞳を、もう1つの相棒が心配そうに覗き込んでいる。そうだ、今は―
     見上げた虚空にポッカリと浮かんだ青い星。今、彼が守っている星だ。文明はまだ幼く外敵への対抗力はほぼない。こんな星はすぐに侵略者の魔の手に晒される―かつての地球のように。
     また1つ、邪悪な意思が迫る気配がした。行かねば。
     傍らに控える炎の鳥に触れ、意思を伝える。左手に呼び出した青い結晶体のブレスを見やり、相棒の声を頭の中で反芻する。戦いの前の小さな儀式だ。

    「行くぞ、ブレーザー。」「アァ、行コウ。」
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