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    Tyon。

    五悠を書いています。
    誰かに刺されば嬉しいです!

    @yon_472

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    Tyon。

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    五悠です。
    セフレの悠仁くんが、自分の気持ちに気づいていくお話。嫉妬したりします。
    ①〜⑤まであります。
    途中から悠仁くん視点で書かれています。
    苦手な方は注意してください。

    #五悠
    fiveYo

    匂い①「先生って、良い子が好きなんでしょ。」

    休日、虎杖悠仁は五条悟の家で映画を観ていた。
    地下室での特訓以来、五条と映画を観ることが日課になり、たまの休日にはこうして映画を観て過ごしている。
    バトルアクションものも、スプラッターもホラーも、一通り観てしまった。動画サイトでNo.1とあったラブストーリーを、なんとなく観ていたとき、悠仁はそんな疑問を投げかけた。

    「んー、まぁね。正確には、面倒くさくない子かな。」
    「それって、どういうこと?」

    悠仁はさらに問いかける。

    「そうだな。しつこくなくて、深入りしてこなくて、色々弁えてる子かな」
    「ふーん」

    五条の返答から、普段の付き合い方がどんなものか伝わってくる。悠仁は、そっかと流すが五条の"付き合い"にも薄々感づいていた。
    その"付き合い"にも自分が入っている事を悠仁は自覚している。

    宿儺の器でいつかは死刑される身。そんなことでは、ろくな恋愛もできないという口実で、悠仁は五条に貞操を奪われた。
    奪われたと言っても、悠仁は満更でもなかった。むしろ、経験豊富な先生に興味があった。
    一線を越えたらあっという間で、度々五条と悠仁は肌を重ねている。
    肌を重ねる毎に、悠仁の脳内に"セフレ"の言葉が浮かんだ。
    いつしか、釘崎野薔薇が言っていた。
    「ただヤるだけの相手のことよ。そこに気持ちなんてないのよ。だから、あんたらも女性を大切にしなさい!」
    何故あの時、伏黒恵と一緒に説教されたかはわからない。その時は、まだ五条との関係がなかったので、そのことは気にも留めなかった。
    だが、関係を持ってからは、釘崎の言葉が何度も思い出される。
    悠仁は、元来あまり深く考えていない為、「これが、セルレか」と毎度甘心するのみだった。


    ◻︎◻︎◻︎

    ある日の休日

    「あー暇だなー」

    五条先生は今日は予定があると言ってた。
    いつも休みの日は、先生と映画見てたから、久しぶりに一人になると何するか悩む。
    伏黒を誘って映画とも思ったが「津美紀の見舞いがあるんだ」と断られてしまった。
    釘崎は、真希さんと買い物だって、昨日から張り切っていたし。
    何もすることが浮かばないまま、俺は寮の廊下を歩いていた。だいたい暇な時は、パチンコかカラオケに行っている。
    一人でカラオケもなんだし、今日はパチンコかなとぼんやり考えていると、廊下の先に背の高い影を見つける。

    「先生ー!」

    駆け寄ると、いつもよりきちんとした服装に身を包み、サングラス姿の先生が俺の方に視線を向けた。
    なんだか、俺と会う時よりもオシャレな気がする。

    「おー、悠仁。これから出かけるの?」
    「いやー、今日何しようかなって考えてたところ。先生はお出かけ?」
    「まぁね。ここに寄ったのは、たまたまだけど。」

    不意に、甘い匂いがした。
    すんすんっと嗅いでみると、先生からする匂いだと気づく。

    「先生、今日オシャレだね。それになんか良い匂いする。」
    「あぁ、香水かな。貰ったんだだけど、会う時に付けてないと面倒で。」
    「へぇ…」

    きっとこれから、五条先生は女の人と会うんだ。だから、俺と会う時よりオシャレな格好をして、その女の人からもらった香水を付けている。
    "面倒"と言っていたけれど、それでも貰った香水をちゃんと付けるところをみると、その女の人は大事にされているんだなと感じる。
    でも、なんだか胸の奥がざわつく。

    「気をつけて行ってきてね。行ってらっしゃい…」
    「ありがと。悠仁も良い休日をね。」

    パタンと扉が閉まったと同時に、風にのって先生の匂いが鼻先に届く。
    先生は出掛けて行ったのに、まだその匂いが残っていた。
    パチンコにでも行こうかなと思っていたのに、そんな気分ではなくなった。この扉の向こうには、まだこの匂いが残っている。良い匂いだけど、なんだが胸がざわつく。
    結局俺は、また部屋に戻った。


    (あの匂い…甘くて、なんかの花なのかな。先生に合ってたかも…)

    五条先生からした匂いが鼻先にまだ残っている。そしてだんだんと脳に刻まれていく。
    香水をプレゼントするというのは、だいぶ仲が良いのだろう。
    普段軽い付き合いしかしていないように見えていたのに、急に"本命"がいたことを知った。

    (面倒なは、嫌だったんじゃないのかよ…)

    ムカつく。そんなことが頭に浮かんだ。
    先生は「会う時に付けていないと、面倒なんだよね」と言っていた。

    (面倒なら会わなければいいのに)

    そもそも『会う時は、付けて』と言ってくる人は面倒ではないのか?面倒でも会いたいってことなのか?
    頭の中がぐちゃぐちゃになる。


    『俺って先生の特別かも』

    と思っていた。
    実際、伏黒や釘崎にも言われたことがある。
    「あの馬鹿は、虎杖に甘すぎ。贔屓よ!」釘崎はそんな風に言っていた気がする。
    それは自分でも、なんとなく気付いていて、俺にだけやたらお土産が多いし、映画もご飯もよく誘ってくれるし、距離もいつも近くて、その内に…
    そんな事をされて自分は特別なんだと勘違いしていた。恥ずかしくなってくる。
    先生に対して、特にこれといった感情は無かったはずだ。でも、自分よりも"特別"な存在を今日知ってしまった。
    恥ずかしい…いや、違う。情けないのかもしれない。

    「あーなんかモヤモヤする!寝よ!」

    時間は正午。みんなは休日を楽しんでいる真っ只中。そんな中俺は、布団を頭まで被せて目を瞑った。
    目を瞑れば先生を思い出してしまう。地下室の特訓、映画を観て過ごした休日。思い出すのは、楽しい日のことばかり。

    (先生も俺もいつも笑ってて、先生といると安心する。居心地が良い…これって、なんだろう)

    そんな思い出を思い返していると、いつの間にか夢の中へ入っていた。
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