「チャンドラさんとノイマンさんのシフト合わせてあげて欲しいんですけど…。あ、俺だけじゃなくってルナもそう思ってるみたいなんで!」
艦長室に相談があると突然現れたシン・アスカの言葉にコノエは戸惑った。
シンからの相談でまさかチャンドラ中尉とノイマン大尉の名前が出てくるとは思いもしなかったからだ。確かにチャンドラ中尉とノイマン大尉のシフトは最近重なってはいないが、なぜアスカ大尉がその事を気にしているのだろうか。
「シン、理由を聞いても良いかな?」
「…内緒なんすけど、チャンドラさんとノイマンさんって恋人同士なんですよ!」
「シン、内緒と言われたら人には言ってはいけないよ…」
コノエ艦長なら他の人には言わないでしょう!と言うシンを見て、コノエはちょっとした頭痛を覚えた。
(恋人同士ねぇ…)
コノエはチャンドラ中尉とノイマン大尉は、確かに距離は近いが恋人同士ではないと思っている。軍属が長くなると偶にああいう距離感になってしまう子は出てくるものなので。
「恋人同士と言うのは本人達から聞いたのかい?」
「俺から聞いて、内緒って言われました。あとルナは見たって言ってました!」
「うーん」
シンだけなら揶揄われた可能性は高いが、ルナマリアまで“見た”と言っているとなると判断がつかない。
「わかった、少し確認してから検討してみよう。それとシン、内緒と言われたんだから他の人には言ってはいけないよ?」
「わかりました!ありがとうございます!」
そう言ってシンは艦長室から出て行った。
本当に恋人同士なら持ち場も違うのだ、シフトぐらい合わせてあげても良いだろう。とは言っても、直属の部下でもない彼らに直接「恋人同士なの?」と聞くのは憚られた。
シンの事は伏せて彼らの周りの者に聞いてみるのが一番かなとコノエは考える。
(そうなるとフラガ大佐かな)
コノエは手元の端末で彼の勤務状況を確認した。