sushidesushiooo☆quiet followMAIKING四分の一 ゆうしがむかひの頭なでるはなしそれは、反射、そういう他なかった。 転びそうな時にいちいち「まずは手をつかないとな、」などと考えて腕を動かす人間はそういない。無意識に、俺は手を前に出すのである。だから、今まさに起きたこれも、別に「あー、岳人の頭触りたいなー」とかいちいち思ってそうして、自分の手のひらをまんまるな頭のてっぺんへ持って行ったわけではなく、あの岳人のレモンスカッシュみたいな笑顔が、ぷしゅ、と弾けて俺の瞳をくらませたと思ったら、次に気付いた時にはもう、起きていたことなのであった。Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow sushidesushioooMAIKINGこれも四分の一くらい?バリスタゆうし「お前ってなんつーか、凝り性?だよなあ………」 食後のコーヒータイム。自宅で二人揃って夕食をとった日に必ず訪れるその時間を、忍足はかなり大切にしていた。向日は大学生の頃、一人暮らしをしていた時から料理が割と好きで、比べて自分はというと、できないとか下手とかそうじゃなくて、本当の本当に自分の食にまで考えを巡らせるような余裕がなく、結構ボロボロの食生活を送っていたので、こうして一緒に住むようになってからの料理担当は、自然と向日の方になったのである。 225 sushidesushioooCAN’T MAKEこれも四分の一くらい この時忍岳に外食させるの流行ってたみたい大人忍岳2なんとなく、めちゃくちゃ、無性に、タコスが食べたくなって、俺は思っていることをすぐ口に出すタイプだったので、それは隣に座って静かに文庫本のページをめくっている侑士の耳にもしっかり届いていた。本を読んでいる時の、俺のこういう、独り言なのかはたまた会話のはじまりなのかよく分からない発言が侑士に拾われるかどうかは五分五分の確率で、俺は別にどちらでもさして気にしないことにしている。ちなみに、返答が欲しい時にはまず名前を呼ぶことになっていた。 「ええんちゃう」 どうやら今日は拾われる日だったみたい。しかし、ええんちゃう、て………いやまあ、そう言うしかないかも知れないけど、だったら返事しなくて良かったんじゃないか………?まあ別にいっか、自分が放ったくせにゆるゆると打ち返されて力なく転がったボールを、俺は取らずにそのまま放置して、手元のスマートフォンで家の近くのメキシカンを調べることにする。 493 sushidesushioooMAIKING四分の一ゆうしがむかひの頭なでるはなしそれは、反射、そういう他なかった。 転びそうな時にいちいち「まずは手をつかないとな、」などと考えて腕を動かす人間はそういない。無意識に、俺は手を前に出すのである。だから、今まさに起きたこれも、別に「あー、岳人の頭触りたいなー」とかいちいち思ってそうして、自分の手のひらをまんまるな頭のてっぺんへ持って行ったわけではなく、あの岳人のレモンスカッシュみたいな笑顔が、ぷしゅ、と弾けて俺の瞳をくらませたと思ったら、次に気付いた時にはもう、起きていたことなのであった。 230 sushidesushioooCAN’T MAKE四分の一くらい大人忍岳最近外食が多いな、と割り箸の袋で箸置きを作ったところでふと思った。お互い毎日決まった時間に仕事に出ている訳ではなく、そりゃどちらかが作れる余裕のある時は家で食事を取っていたけれども、社会人ってほんとに疲れるのだ。週に数回あるかないかの、たまたま帰宅時間が被るタイミングで、せっかくだからとかなんとか理由をつけて外食するくらいの甘えは許されてもいいと思っている。それに、向日は忍足と外食するのが結構好きだった。ほんの少しだけ余所行きの声で話す向かい側に座った恋人に、自分も余所行きの返しをして、まるで僕たち付き合ってません、みたいな、誰に聞かれてるわけでもないのに。それがちょっと、大人って感じがして、なんかすきだった。なのに、向日が何か食べて「うまい!」と笑った時なんかに、一瞬だけ家でふたりきりの時の顔で「よかったな、」とか言ってきたりするから、結局まあ、あー早く家帰りたいな、とか思ってしまうのだけど。 403 sushidesushioooMAIKINGこれも半分くらいかな 昔のやつ読み返してて思ったけど似たような話書いてたわゆうし好きな人いんの!?とある日の放課後、なかなか迎えが来ないな〜としびれを切らした向日はH組の教室までの道のりをまったくもう、とか思いながらてくてくと歩いていた。ちなみに、この日のD組のホームルームはいつもよりも少し早く終わっていたので、別に特別お迎えが遅いわけでは決してなかったが、まあ向日の体感だと結構待ってみたわけである。廊下、意外と長いし、部室、反対方向だし。大きな窓から差し込む光が、今日もとっても暑いんですとこちらの都合なんてお構いなしに、すてきなことでしょうと、にこにこ主張している。壁の掲示物が日やけするから、ブラインドの設置を検討してるとかなんとか。向日は「なんや野暮な話よなあ、」と忍足がぼやいていたのを思い出していた。やぼって結局なんなんだろ?まあいいか。侑士、この前日直やったばっかりなのに、また順番回ってきたのかな?休みの子の代わりとか?あいついいやつだもんな。 383 sushidesushioooCAN’T MAKEこれは半分くらい?部屋探す忍岳埒が明かない、向日はそう思った。部屋を探すのがこんなに大変だと思わなかった。忍足の職場の最寄り駅と、自分の職場の最寄り駅を選択して、侑士は最悪タクシーで帰ってきても大丈夫な距離にしないと、あいつ、何がなんでも帰ってくるから、家計に響く、なんて文句という名ののろけを誰に聞かせるわけもなくしながら、それぞれ電車での所要時間を入力。ついでに駅からの距離も指定する。これがファーストステップ。それから、家賃……母が給料の三分の一!なんて言っていたのを思い出しながら、こんなもんか、と上限を指定、寝室は別けた方がいいか?二人は、忍足の不規則な勤務形態のせいで、合わない時は笑えるくらい生活リズムが合わないからだ。「ゆうしー、寝る部屋、別がいい?よな?」「え……なんで?一緒じゃあかんの?俺絶対起こさんように帰ってくるし、岳人は起きへんで、そんなことじゃ」「は?いやまあ起きねえけど……侑士が起きるじゃん……」「起こしてや、おやすみって言えんかったらおはようって言いたいし、いってらっしゃいって言えんかったらおかえりって言いたいねん」侑士は、バカだ。バカみたいに幸せそうな顔をしている。そんなこと言ったら、俺だって起こしてほしい、向日は口元をすこしにやかしながら、間取りの欄を1LDKにチェックを入れる。 547