Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    deundeuun

    @candi___ru059

    🔥🎴・💎⚡️が大好きです💕 久々腐りました。 
    腐る直前に書いたssなども、あげたりしてます。今は大腐りです。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 39

    deundeuun

    ☆quiet follow

    🌫×女夢主ss
    ・昔書いたss
    ・女夢主は年上設定

    私達はどう見えているんだろう。ここはいわゆるファミレス。駅から少し離れた場所にあって、川沿いで遊歩道のそばにある、比較的小さめなお店。日中は家族連れより、シニア層が多い。 そんな店内に、私と彼がいる。彼といっても、パッと見女の子に見える外見の持ち主。大きな瞳は長いまつ毛の傘にかぶって、下を向いている。まつ毛の長さが、整った顔をさらに際立たせる。メニューをめくる手は、男の人のそれだが、きれいでしなやかさを帯びているのがわかる。

    「ねえ、決まった?僕ね、和定食かなー」
    メニューを渡しながら彼は、私を真っ直ぐ見て言った。オーダーしてから、彼は頬杖をついて、こちらを見つめてくる。私は周りの目線が気になって、キョロキョロ、オドオドしている。
    「ねえ。ねえってば。聞いてる?」
    「あ!う、うん。聞いてるよ。」
    「嘘だね。全然こっち見てくれないじゃない。つまんないよ。」
    ぷうっと膨れた頬も可愛すぎる。

     美形な彼の一番の特徴、実は長い髪にある。さらさらの長い髪、肩を通過して腰近くまである。でも久々に会った彼は、昔の華奢な可愛い男の子じゃなく、きれいでカッコいい青年に変わっていた。

    「だってさ、若いあなたと私じゃ、姉弟?あ、親子に見えるかも!ひー 嫌すぎる〜!」
    頭を抱えて、更に下を向く。
    「誘って悪かったよ。…そんな悩むなんて思わなかったし。久々の再会で、そこまでブヒブヒ言わないでよ。」
    聞きずてならない言葉を聞いて、顔をスッとあげる。すると待ち構えていた彼の指が、私の鼻を押す。
    「あれー?この店は、豚の入店許可出るんだー 良かったね。豚さん。」
    満面の笑みでイケメンに言われても、嬉しくないものは嬉しくない。…けど、さっきより顔が近い。伸ばされた腕は、私の知ってる小学生男子とは違う、大人の、男性のものだった。
     何のリアクションも取らない私に、首をかしげて、心配な顔をする。ああ、でもあの頃の雰囲気も残っている。知らない人じゃなく、やっぱり彼だ。

    「なんか言ってよーブヒブヒ?」
    「はいはい」
    その綺麗な手を振り払う。途端にバツの悪そうな顔をしてみせる。いわゆる子犬的な、アレ。しょげているような彼の長い髪が、お日様に当たって綺麗。綺麗な黒髪、毛先の方は光の加減によっては緑がかって見える。さっきイケメンて思ったけど、そんな軽い言葉じゃ表現できない…

     しばしの沈黙を破ったのは、店員さんの声だった。彼は今時の若者っぽくなく、和食派。
    「あ、焼き魚だった。」
    「ああ、お肉派だったもんね。でも焼き魚も美味しいよ。」
    「小さい頃から、魚ほぐすの上手だもんね。あ、小鉢はふろふき大根じゃん。はい、あげる。」
    「ありがとう。覚えててくれたの?」
    「あ、いや、たまたま。たまたまよ。」
    うれしそうに、はにかむ彼。か、可愛すぎる。感情爆発状態の私、気付かれないように黙々と食べる。

    「今日はいい天気だね。風も控えめだし、気持ちのいい感じ、だね。」
    「うん、ここら辺はよく散歩するの。散歩の犬とか、かわいいんだよ。」
    店を出た私達は川沿いの遊歩道を歩いた。
    「なんか並んで歩くの久々だね。前はこぉーんな小さかったのに、今は…」
    彼の方に向き直って、手で背を比べようとすると、彼が急に手首を掴んできた。
    「ねえ。 ねえ、なんで? なんで、昔の話ばかりするの?今の僕は見えてないの?確かに10年ぶりの再会だけど、僕はもう隣に住んでる小さな男の子じゃないんだよ。」
    急な状況の変化に追いつかない私は。何か話そうと口を開くけれど、思いと実際にあらわれた言葉はあまりにも違っていた。
    「い…痛い。」
    ハッと気付き、手を離す彼。動揺している。私も一緒だ。体制を立て直そうとしたその時、小さな段差につまづいた。
    「痛ー!」
    いい年して、足をくじいた。なんか、今日は調子が悪い…悪いというか、変。 彼が無言で近づいてくる。ああ、怒らせちゃったかな。
    「ご…ごめ」
    ん、を言う前に私の身体はふわりと浮いた。浮いたかと思えば、彼の顔が驚くほど近くにあった。
    「ちょ!ちょっとやだ。おろして!重たいよ。ごめん。いや、本当に。」
    「落ち着いて。本当に落ちちゃうよ?」
    こつんと額と額がくっついた音がした。落ち着けるわけない。耳元で話さないで!
    「って、僕も落ち着けてないけど。」
    よく見ると少し顔が赤い。それを見て、また私も赤面する。この細い腕のどこに私を抱えられる力があるの?

    「僕ん家、そこ。」
    顎で指すそこは、小さなマンションだった。大学入学で一人暮らしを始めた彼は、私の家のそばに住み始めたのだ。そして今日は久々の再会だった。思わぬことになってるけど。

    彼の家に上がって、椅子に座らせてもらう。彼は私の前にひざまずき、くじいた足の手当てをしてくれた。へらっと笑って、年甲斐もない、と言う私に
    「いや、ごめん。僕が悪かったね。 こっちもごめん。」
    手首の手当てをしながら
    「ごめんね。なんか、はしゃいじゃった!あはは」
    沈黙に耐えきれず、またもやへらっと笑って話す。
    「謝らないでよ。僕の方こそ、はしゃいで、ケガさせて…こんな思いさせたかったわけじゃないのに。見た目がこんなだから、子ども扱いが嫌なんだ。」
    「そっか。そうだよね。わからず、ごめんね。」
    手当てが終わると両手で手を取り、真っ直ぐに私の方を見てくる。
    「あのね。今日僕が会う約束したのは、話を聞いて欲しかったからなんだ。 あなたから見れば僕は隣に住んでる小学生の男の子だったと思う。でも、それは10年前の話。今の僕のこと、少し意識してくれない?」
    綺麗な目で見つめられると、困ってしまう。彼の目線に耐えきれず、目線をはずす。今度は手首が動いた。
    「…ねえ。ねえ?こっち見て?」
    私の手は彼の頬についていた。手のひらは彼の唇に触れていた。彼が話すたび、息をするたび、彼の息を、熱を感じる。
    「お願いだから、俺のこと、男として見て。…もう、大人なんだよ?気付いて。」
    言い終わると同時に手のひらにキスをされる。頭の中はパニック状態。どうしたらいいんだろう。6歳下の可愛い幼馴染が、大人っぽくなって、しかも男として意識しろって言ったり…お姫様抱っこされたり。と…とにかく、今はこの場を切り抜けなきゃ!
    「わかった!わかったー!少し、考えるー!」
    「本当?ありがとう。」
    やっと手が自由になった。立ち上がった彼は、もういつもの彼だった。ほっとする私。
    「じゃあ、これからよろしくね。」
    ニコッと私を見下ろす彼。

    「さて、お茶でもいれようか。コーヒー?紅茶?何がいい?」
    「あ、じゃあコーヒーで…」
    キッチンに立つ彼に話しかけるけど、気のせいかな…にやぁ〜っと笑っていた気がする。 何はともあれ、年下の幼馴染がちょっと気になる男の子にジョブチェンジしたってことみたい。色々あってなんだかわからないけど、この手のひらの感覚は…本当みたい。明日からどうなるんだろ、私…楽しみなような、こわいような。





     彼サイド

     はぁ ドキドキするなぁ こんなにドキドキするの、どのくらいぶりだろう。久しぶりにあの人に会える。10年ぶりかな。あの人が大学に入るのに一人暮らしするようになってからだから、相当ぶりかな。年末年始もお盆とかさ、帰省しても会わなかったし。隣なのに…まぁ、いいや。今日。今日が俺にとっての、勝負の日なんだから。

     ヤバいーメニューなんて読んでられないよ!きれいになったなぁ 大人って感じだなぁ いやいや、親子とかやめてよ。男と女に見られたいんだよ!
     鼻触っちゃった!顔近くなっちゃった。見た目は変わったけど、この表情は変わらないや。かわいい。

     思わず手首つかんじゃった。強すぎたかな…って転んだ!どんだけドジっ子なわけ?…いや、待てよ。これ、使える。よし、抱っこだ。軽ー余裕ー! そして、家に行こう。にやり

     手当てしてるけど、手当てしつつ、こっそりうかがってる俺。足と手を触ってるのは、役得。上目遣い攻撃しかない。がんばれ、俺。 

     今日は手にキスで我慢してあげる。次…は、どうなるかは、わからないよ?明日か、明後日か、もう少し先になるか…もしかしたら、数分後か、俺が次キスする場所はどこだろうね。これからが楽しみだ。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💗☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    deundeuun

    PROGRESSさねみんのお誕生日ssの進捗です。
    思いっきり途中ですが、良かったら読んでやってください。
    まだ未定 勤め先の路線には最近新しく出来たホテルがある。外資系のオシャレなやつだ。黒と白を基調に、吹き抜けのエントランスは小洒落てるな、と芸術に疎い俺でもそう思う。同僚の無口な奴は「おい、なんだ?俺の真似か?」とかブツブツ言ってたな。黒と白のストライプは全部自分だとでも思ってるのかね。だけど、自分の好きな奴からのお茶の誘いには即飛び乗って「おい、不死川。あのホテルはとても雰囲気が良いぞ。何より落ち着くな。やはり色のコントラストが良い。」と手のひらを返すどころか、全身ひっくり返ってんじゃねえのか?くらいの勢いで話し始めやがった。話半分に書類の整理を始める俺の腕を掴み、くるっと自分の方に向きを変えて、まだ話す。「そしてな!彼女は目当てのアフタヌーンティーを俺の分も予約していてくれてな!紅茶やコーヒーもうまく、沢山話す彼女はとてつもなく可愛らしく、愛らしく…」…始まったな。小さなため息をついて、顔の向きを変える。まだ続く…「そして、あのシックな建物の中でカラフルで美しいアフタヌーンティーのケーキの数々!小さいが全て甘さ控えめで美味かった。…そして、彼女がな…」まだまだ続く“彼女”の観察日記を右から左に受け流しつつ、そのホテルに行ってみたくもなった。
    1872

    recommended works

    deundeuun

    DONE #rntnワンドロワンライ に参加致します。
    「自惚れても、いいのだろうか。」を選びました。
    ⚠️
    ・🔥🎴 ・継子if ・ちょっと🔥さん弱気
    知らなかった、君のこと。 君の目は丸く大きく美しい。君の口は大きく開く、口角がぐっと上がるのが可愛らしい。君の手は…自分ではガサガサだと言っていたが、妹の頭を撫でるとき、彼女だけでなく、周りまで幸せにする。そんな君が、何故。何故なんだ。俺には全くわからない。何故俺の羽織を抱くのか。


     目につく隊士だった。殺伐とした鬼殺隊の中で、彼の周りだけ笑い声が絶えなかった。笑い合うだけでなく、最後には皆を鼓舞する。不思議な光景だった。鬼に家族を殺された者が多い鬼殺隊で初めて見るタイプだった。気付いたときには、目が追うようになっていた。今思えば、ややこしい家庭に育った俺が無意識に温かさを求めていたのかもしれない。 
     俺は自分に何も自信はない。ただ声が大きく、少し強いだけだ。君のように周りを笑顔にできるのかもわからない。近くにいる太陽のような君。そんな君が継子になってくれ、俺はその温かさを少し浴びることができ、幸せだった。夜毎命を賭して闘う、心身共に疲れる日々の、まさに癒しであった。気持ちが温かく、穏やかになるのがわかった。
    959