2、 新郎友人代表 月永レオ① 勝った、と思った。
ついにセナから、結婚式の友人代表スピーチを勝ち取ったのだ。心の中でガッツポーズ。もとい、湧き上がるファンファーレを書き留めたがる右手抑えるべく、強く強く拳を握った。
友人代表――それはこれまで一番に苦楽を共にしてきた相手に頼むもので、二人の門出を一番に祝う者が務める役に違いない。
そして、これからの彼の幸せを一番近くで見届けるための許諾証。
チェックメイト! おれの勝利だ! おれはようやく公に、セナの『一番』の席を手に入れた。
さて、言葉じゃ到底表せないこの気持ち。どうやって伝えればいい?
止まるところを知らず湧き上がる霊感を詰め込むべく、傍らに転がるペンを拾い上げた。