四季折譚 ほんとに矢後さんはよく寝ますねぇ。これ以上成長するところもないでしょうに。
今日、高校の入学式だったんですよ。矢後さんは卒業したから知らないでしょうけど、ほんとに大変だったんですからね。あんなに嫌だって言ったのに、卒業式の日に矢後さんがあんなこと言ったせいで僕はめでたく総長の座を頂いてしましました。今どきの転生モノでももう少しまともな環境と役職が与えられるってのに…僕の折角の平穏な日常は、少なくともあと一年は訪れないでしょうね。あーあ。
それより早く起きてください。季節の行事にやたらとうるさい彼らがご丁寧に桜餅を大量に用意してくれたんです。
桜餅も、合宿施設に持っていきましたけど、消費し切れる気がしないんですよねぇ。よりにもよって全部粒あんですよ、ありえない…僕が総長になったからにはとりあえずあんこはこしあんが至高だということを周知させるところから始めようと画策してるところです。さぁ、カピカピになる前に桜餅食べちゃいましょう。早く起きてください、矢後さん。
14433