かっちゃんがなにか考え込んでいる。
いろいろあって、と彼の同僚から連絡をもらった。いろいろあって、今日の夜勤は他のサイドキックが代理を務め、明日は有休扱いになったらしい。一体なにがあったんだ、かっちゃん。
問いただしたい気持ちはあるけれど、互いの仕事には口出ししないのが僕たちのルールだ。
僕はなにも知らないふりをして、夕方帰ってきたかっちゃんを笑顔で出迎えた。ごはんを食べさせ、お風呂にいれて、そして今。
「かっちゃん、熱くない?」
「おー」
かっちゃんの濡れた髪にドライヤーをあてている。僕はこの時間が好きだ。無防備なつむじを見下ろしていると頬擦りしたくなる。
この間もかっちゃんはブツブツ、ブツブツ、ひたすらブツブツ。
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