もしかして、私はナワーブから好意を向けられているのでは?
荘園と呼ばれるこの場所では、生死を賭した凄惨なゲームが日夜開かれており、集められた様々な罪と欲望を抱えた者たちが各々の願いのためにその中に身を投じている。
その参加者のうちのひとりであるイライ・クラークがそんな考えを抱くようになったのは、なにも非現実的な日々に疲弊した末に気が違ったから、という訳ではない。
荘園に訪れる以前は、イライは占い師として生計を立ててきた。町人の失せ物探しや恋占い、人生相談から、時には上流階級の者を相手に大きな商談の道行きを示してやることもあった。それらと渡り歩いて来られたのは、ひとえに持ち前の天眼なる力と、洞察力のおかげだったと言えるだろう。
イライは、緊張感を伴う対人間でのやり取りを通して、人の感情の機微への敏さと、頭の回転の速さは、十分に培われてきたという自負があった。
だからこそ、気付いてしまった。同じく参加者のひとりである、傭兵――ナワーブ・サベダーは――
「おはよう、ウィリアム。 トレイシー。 ……よう、イライ。 おはよう、よく眠れたか?」
「あ、ああ。 おはよう、ナワーブ。 朝までぐっすりだったよ」
荘園の館に暮らす者たちでひしめき合う朝の食堂で、皆と交わす挨拶の中に、いつも己にのみ増やされる労りの言葉。
「そうか。 それなら良かった。 今朝の飯はお前の好きな野菜のスープと白パンだぞ」
「それは楽しみだな。 取りに行ってくるよ」
共に食事を摂るのだと疑わず、微かに喜色を乗せた声色の持ち主は、隣の空いた席に伏せ目がちの三白眼を向けた。その視線はすぐに何事も無かったかのように食事へと戻されたが、私のためにそこを空けていたのだと言外に指し示しているようでもあった。
厨房に朝食を取りに行くために彼へと向けた背中がむずむずとこそばゆい。今日も間違いなく己にのみ向けられた気遣いに、それが自惚れではないのだと、幾度となく浮かべてきた実感がこみ上げる。
――ナワーブ・サベダーは、己を好ましく思っている、と!
天眼を用いずとも窺い知れる彼の態度に、己の洞察力が錆びついていない確信から気分が上がる。厨房内に他に人が居ないのをいいことに、抑えていた表情筋を緩ませながら上機嫌にトレーと皿を手にする。
(やっぱりナワーブ、私のことが好きなんだな)
◇◇◇
寡黙で無表情だが、周囲によく気を配る人。それがナワーブという男に抱いた第一印象である。
元傭兵というだけあって、小柄ながら筋肉で覆われた体と巧みな体捌きはとても頼もしい。警戒心が強くはあるが、気を許した相手には言葉少なながらも面倒見の良さを存分に発揮し、試合でも居館での生活でも彼に世話になっている者は多い。イライもその中のひとりで、古株である彼には荘園に来たばかりの頃から今に至るまで、何かと気にかけて貰うことが多かった。
共に過ごすことに慣れるにつれ、その優しさと気配りが他の仲間に向けられるものよりも、己に与えられるものが少しずつ多くなっていっていると気付くのに時間はかからなかった。何が彼の琴線に触れたかはわからない。だが多くを語ることのない彼から好意を向けられるのは、警戒心の強い動物に懐かれた心地と似たものを感じ、嬉しかった。
ただ問題があるとすれば、ナワーブが、私に向ける好意を自分では上手く隠し通しており、本人には悟られていないと思っていることだった。第一印象とは裏腹に懐に入れた相手にはよく回るらしい口と、意外によく動く表情は、実にわかりやすく私に柔らかいものばかりを渡すようになっている。
職業柄、人の表情を読むことに長けており、かつ当事者である私が気付くのは当然であったが、心理学に通じているメスマーさんや察しの良いノートンくん、観察眼に長けたディルシさんや一部の噂好きな女性陣から含みのある眼差しを向けられた時には流石に居た堪れなかった。もちろんナワーブはそのような視線を受けているとは露とも思っておらず、私への不器用なアプローチはいつでもどこでも惜しみなく行われている。気配に敏感な歴戦の傭兵様は一体どこへ行ったのやら、そんな姿からは片鱗も見つからない。
しかしそんな羞恥があっても、彼からいっとう気にかけられている現状を、悪い気はしないと受け入れているくらいには、私も彼に気を許してしまっていた。
(ナワーブ、私のことが好きなの、わかりやすいよなあ……)
そんなことを取り留めなく考えていても睡魔はいっこうに訪れてはくれず、イライは暗い部屋の中でいつもより重く感じる頭をゆるく振った。
試合で天眼を酷使した日は、反動による心労のせいかどうにも寝つきが悪くなる。今日のように時計の針がてっぺんを指し、皆が寝静まるような頃になっても胸がざわついて眠れないことはざらにあった。支給されている薬を使って無理にでも眠ってしまえばいいのだが、夢見の悪くなるそれを好んで使う者は多くない。
明日も試合がある。だらだらと思考を巡らせるよりも、意識を落として心身を休ませてしまいたい。だが眠ろうと意識すればするほどぴりぴりと感覚が過敏になっていくようで、シーツの冷たささえも気に障って目が冴えていく。
(……厨房に行こうかな)
乾いた喉を潤せば落ち着くだろうから、少し歩いて気を紛らわせたいから……と、厨房に向かう理由を頭に並び立てながら、ベッドに預けていた背中を起こした。本当はそれ以外にも、淡い期待を抱いていることには気づかないふりをして、廊下に繋がる扉へと手をかけた。
消灯時間を過ぎて明かりの落とされた館内は夜闇に染まってひどく暗く、人気のないことを示す静寂が不安をかき立てる。窓の外の木々はやけに黒々と夜の色を濃く映し、目を楽しませてくれる日中の瑞々しさは無い。時折耳に届く風が葉を擦るがさがさとした嫌な音が、規則を破り夜間に出歩く己を責めているようだった。
落ち着かない天眼の力が見せる幻影たちが、こちらを闇へと引きずり込まんと手を伸ばしてくる。ランプを持っていない空いた片手で握りこんだ服の裾に皺を深く刻み、堪えるように目を背けながら歩を進める。
足音を響かせないように曲がった廊下の先に、薄く光の漏れる扉を見つけて、知らずのうちに詰めていた息を安堵から深く吐き出した。軽くなった足取りで歩調を早めて、食堂の大きな木製の扉を通り過ぎ、隙間から明かりの滲む厨房の扉の前に立つ。ようやく辿り着いたその扉を押し開くと、思い描いていた通りの姿があった。
「イライか。 こんな時間に……また眠れないのか?」
彼が持ってきたのであろうランプと、天井から垂れ下がるいくつかの電球しか灯されていない薄暗いとも言える明かりは、暖かい橙色でその場を包んでいた。その中に立ちこちらを向いたアースグリーンの瞳は、今は照明の色を溶かし込んでなめらかな蜂蜜を思わせる色をしている。穏やかな低音は時間を考えてか幾分潜めたものであったが、こちらを拒絶する空気はなかったので肩の力を抜いた。
「ナワーブ。 ……うん、どうにも眠れなくてね。 水を飲みに来たんだ」
「天眼の使いすぎで無理をしたんだろう。 今日も試合で随分と活躍したらしいな。 ウィリアムから聞いたぞ」
体ごとこちらを向き直して腕を組んだ彼の目には、咎めるような口調とは異なり、わかりやすく心配の色が浮かんでいた。彼なりに無理をするなと言いたいのであろうが、自分にも参加者としての矜持がある。
「自分のすべきことをしただけさ」
口角を擡げて淡く微笑みを作って見せながらこう言えば、試合での立ち回りの重要性をよく理解している目の前の男が何も言い返せなくなることはわかっていた。
軽く肩をすくめてから背を向けたナワーブはそれ以上の追求はして来なかった。彼なりの線引きらしいそれがありがたい。私も、なにも叱られたくてここに来たわけでは無いのだから。
扉の前でそわそわと立ち尽くしていると、それに気づいたらしい彼が吐息だけで笑うのが聞こえた。コンロに火を点けて指先で火力を調整しながら、顔は中身の入った鍋に向けたままこちらに声がかけられる。
「ホットミルク、飲んでいくだろう」
「ああ! 頂いていくよ」
待ってましたと言わんばかりに一も二もなく答えた声があまりにも弾んでいたからか、彼は今度こそ声を上げて笑った。
出来るまで待ってな、と促されるままに大人しく椅子に腰掛けながら、調理台を向いて作業をしている彼の背中を眺める。実のところ、こうして深夜の厨房で彼から温かい飲み物の相伴に与るのは、これが初めてのことではない。
ふつふつと温まり始めたミルクの甘い香りが、広くはない厨房内に漂い始めた。
もう最初はいつになるだろうか。荘園での試合に慣れず右往左往していた頃、今と同じように天眼の酷使のせいで眠れず、途方に暮れて冷たい水でも飲もうと厨房に足を運んだのだった。その時は思いもよらぬ先客に驚き、踵を返そうとしたところを引き止められた。「お前も、眠れないのか」と。
香りが残ると朝に見つかってお咎めを受けるから、と彼が作っていたのは、よく飲んでいるところを見かける香りの強いお茶ではなく、鍋の中で甘い湯気を立てるホットミルクだった。よく眠れるぞ、と私の遠慮を押し切って渡された、ひとり分だったものを分けたせいでカップの半分しかないそれは、そんな量だったのにひどく体を温め、想像以上の快眠を私にもたらした。
翌朝、食堂で出会った彼に耳打ちするように「ありがとう、おかげでよく眠れたよ」と伝えたのが、おそらく切っ掛けとなったのだろう。以降、深夜に厨房へ赴くとナワーブとよく顔を合わせるようになった。いつ行っても居るわけでは無かったが、とりわけ私が試合で無茶をしてふらふらと厨房へ足を向ける日には、ここで鍋を片手に立っているのだった。
「俺も眠れないから、ついでだよ」と言った顔には確かに疲弊の色が残り、目の下には隈が刻まれていたから、それは嘘ではないのだろう。ただそれだけでは無いことは、何度か繰り返した夜の中の、はじめの方で気づいてしまっていた。
今日だってそうだ。言わずもがな、最初から用意されていたひとり分にしては多い鍋の中のミルク。紛れ込ませているつもりなのだろうが、いくつか並べられているマグカップの中に、取り出しやすいようにこちらに持ち手が向けられているものがふたつ。今私が腰掛けている、簡素な厨房の中にあるのはそぐわない座面の柔らかな食堂の椅子は、わざわざ運んでこなければここには無い。
(私のために、用意されている)
今までのこの機会すべてが、とまで自惚れはしないが、明らかに自分を労る意図の感じられるそれらに嬉しさはあれど嫌な気持ちは無い。今日も、居るかもしれないと、彼の作ったホットミルクが飲めるのではないかと、幾ばくかの下心が無かったかと言うと嘘になる。
(だって、本当によく眠れるんだ)
自室では気づかないふりをしていた期待と今更ながら向き合う。好意に甘えている自覚はあるが、心地良い睡眠をもたらしてくれるものに縋ってしまうのは仕方のないことだろう。眠れない夜をひとり、蹲って時が過ぎるのを待つのは辛い。彼も、同じ思いでミルクを温めているのだろうか――
「ほら、出来たぞ」
どうやら随分とぼんやり考え込んでしまっていたようで、突如として目の前に差し出されたマグカップに反応できず軽く仰け反ってしまった。そんな様子を訝しげに見下ろす彼へ誤魔化すように笑ってから、湯気の立ち上る白い陶器に手を伸ばした。
「ありがとう。 頂くよ」
寝るために手袋を外していたままの両手でマグカップを受け取ると、厚い陶器の壁越しの熱が指先をじわりと温めた。ふう、と息を吹きかけて湯気を晴らすと柔らかい白い水面がまろやかな香りとともに姿を現す。誘われるまま口に運ぶと、ミルクだけではない蜂蜜の甘みと、数滴垂らされているのであろうブランデーの奥深い香りが広がった。
ミルクは、程よい温かさは損なわれることなく、かつ口内を焼かない程度に冷まされており、そこにもまた彼の心遣いが感じられた。ここに来るようになってから飲み慣れたその甘さと、ナワーブの優しさを味わって、思わず笑みが溢れる。
「美味しいよ」
カップから口を離して素直な感想を伝えると、安心したように眦を緩めた彼に、今はフードの被っていない頭を気安い調子でぐしゃりとかき混ぜられた。
いつもの緑色の上着は無く、寝るための軽装に着替えていながらも重い靴はそのままに、それでも足音を立てず私から離れたナワーブは、調理台に軽く腰かけるようにもたれながらカップに口をつけた。
椅子に座る私と、こちらを向いて立つナワーブ。近すぎず遠すぎないその距離を居心地良く思いながら、たわいもない話をぽつぽつと交わした。
これだけならばまだ、親しい仲間としての交流の一環と言えただろう。だが、それだけでは無いと、私はもう気づいてしまっている。
私が彼から視線を外している時に注がれている、その眼差しがじりじりと焼くような熱を持っていることを。親愛から来るものだけではないそれを、私に気づかれないようにと普段はまぶたの内に隠していることを。
(……気づいてしまった、というか)
(わかりやすすぎる、んだよなあ……)
それがゆき過ぎた親愛ではなく恋愛感情なのだと、たびたび送られる仲間に向けるには強すぎる熱を帯びた視線は、言葉少なな彼の代わりに内実を雄弁に語っていた。
今も思案するように俯いている私の首筋を、気づかれていないと思っている彼の瞳が刺さるようにぢりり、と炙っている。
(ミルクの熱と、視線で……私を焼こうとしているみたいだな――なんて)
微かに体温の上がるような心地がする。
天眼の力による副産物で、人からの視線に敏感になっている節はあるが、それにしたって熱烈な視線は余りにも明け透けだ。これで本当に自覚は無いのか、隠し通せていると思っているのか。
(それとも、恋をしている人間は、わかりやすくなってしまうものなんだろうか)
(私も――同じだったんだろうか)
思案に耽るなかで、無意識の内に左手の薬指の根本を撫でていた。銀色の輪はミルクの熱を受けてか、そのなめらかな表面はいつもより熱く感じた。
「それ、は……あ、いや、すまない……聞くつもりは無かったんだが」
その仕草は彼の目にも留まったようで、しかし思わず口をついて出てしまった声だったのか、慌てて撤回される。珍しく動揺する彼の姿に、大丈夫だと言うかわりに微笑みを返す。
「これは、お守りのような物なんだ」
「……聞いても、構わないことか?」
「ああ。 確かに婚約をしていた人がいた。 が、今は……もう、この指輪の片割れを彼女は持ってはいないだろう」
彼の労るような視線を感じながら、感傷とともに口を開く。元々身分違いの恋だったこと、視えた未来に従って、彼女には荘園に来る前に別れを告げていることを、苦くも甘い懐古で胸を満たしながら静かに語った。
「彼女と道は違えた。 だが、生きてほしいとこの道を示され、それを選んだのは私だ。 指輪は……拠り所であり、覚悟のようなものかな」
「生きるための、か」
「……うん、そう、だね」
誰にも話すことなく、己の内で秘めたまま終えるはずのことだった。どうしてここまで詳らかに語ってしまったのか。青臭く、夢見がちで、無謀な恋の話だと、笑い話にするにはまだ乾ききっていない傷を、晒してしまった。よりにもよって、私に恋愛感情を抱いているであろう相手に。
「そういうものがあるのは、いいことだと思う」
なぜだか彼の顔が見られず、マグカップの底ばかり見つめていた視線を声につられて持ち上げると、少し眉を下げたナワーブの瞳とかち合った。薄く口角を上げたその表情は少し困っているようにも見え、先の言葉は彼が精一杯選んで発したものだと窺い知れた。試合での戦略を語るときは淀みない口調が、今はどこか拙い。こういった話題は苦手なのだろう。
「綺麗な指輪だ。 大事にしているんだな」
ただ、だからこそか、素直で不器用な言葉が嬉しかった。彼は、否定も嘲笑も、過度な賞賛もしない。手の内にある陶器はもう空のはずなのに、あたたかいような心地がして、知らずのうちに強張っていた指先の力が解けていった。
「ありがとう、ナワーブ」
眩しいものを見るように細まった瞳に、自分の表情は笑顔に映っただろうか。それを覗き見る間もなく、向き合っていた眼差しは何かを思い出したのか弾かれるように逸らされた。その視線を追った先、厨房の薄暗がりが覆う中に佇む時計は、もうエミリーに叱られるような睡眠時間しか残されていないことを示していた。
ナワーブの「悪い、引き留めちまった」と慌てた声が、少し湿っぽくなった空気を霧散させる。数歩の距離を軽く詰めた彼に、名残惜しく両手で包んでいたマグカップをひょい、と奪われる。ああっ、と不満を込めた声とともに腕を伸ばしても、片手でふたつのカップを持ったナワーブはとっくにシンクの前に立っていた。こんな時まで身軽でなくていいだろう、と見えないであろうが恨みがましい目を向ける。
「ご馳走になったんだ、片付けは手伝わせてくれ」
「すぐに片付くからいいって。 それより冷える前に寝ちまいな」
素気無く断られることは知っていても毎回手伝いを申し出ないと気が済まない私を、ナワーブはもう取りつく島もなく背を向けて洗い物を始めてしまった。こうなってしまうと何を言っても動かないことはわかっているので、一つ結びの後頭部に向けて言葉を投げる。
「ありがとう。 おやすみ、ナワーブ。 いい夢を」
「おやすみ、イライ。 しっかり寝ろよ」
私を甘やかす、あたたかい橙色の薄明かりの部屋から出て扉を閉める。振り返ることなく、ランプの白々とした灯りを掲げて夜闇の中に足を踏み出した。
自室までどんな心持ちで帰ってきたのかは茫洋としており朧気にしか覚えていない。ただ今は早く、身の内の暖かさが逃げる前に眠ってしまいたかった。ベッドに乱雑に倒れ込むと思いの外大きく軋んでぎしりと響いた音を、止り木で休む相棒にホゥ、と咎められた。
口の中で小さくごめん、と呟いてから、横たわったそのままで目を閉じる。頭がじん、とぼやけ、指先が重い。腹の奥の熱がじわじわと体中に広がっていくような心地を覚えながら、ようやく訪れた穏やかな睡魔の気配に身を任せた。
(ナワーブは、私のことが好きだ。 ……それも、とても)
(じゃあ)
(私は――)
いっとう熱を浴びていた首筋がそれを思い出すようにじわりと疼いたが、既に眠りの縁にいるイライには何も判ずることは出来ない。一瞬過ぎった曖昧な思考は、迫り来る睡魔の濁流に飲まれて途切れた意識の中に溶けていった。