ソハヤの霊力追い剥ぎ相談室「へえ、大典太光世がくるのは久しぶりだな」
政府直営の演練会場には屋台も多く出店されている。たこ焼きやにりんご飴、お遊び程度の占い師の店などもあって祭りのような賑やかさがあった。昔はただ訓練のための演習場であったらしいが、面白味も褒美もなければ続かない。より多くの審神者に参加してもらうための工夫であるそうだ。
昔、を知らない大典太光世は物珍しいとばかりに演練会場を見渡した。顕現は2年ほど前であったが演練に呼ばれることがなかったからだ。無論、審神者が悪いわけではない。大典太はさして興味がなく出陣を希望しなかったし、演練の出番が回ってこないまま錬度が上限になってしまったからだった。極の修行と言うものに行けば伸びしろはあるのだろう。他の極た刀たちを見て思うがどうも自分はまだ極める気にはななれない。それは大典太光世の刀として政府から許可が下りていないこともあるし、自身の刀剣男士としても心のせいでもあった。
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