現パロのラl伊l豆l小ネタツアー中の出来事
楽しくて楽しくてしょうが無いらしいウツシは炎天下の青空を背に手を広げ、輝かんばかりの笑顔でこう切り出した
「そうだ!彼処のスタンプの場所まで競争だ!!!俺に勝てたら何か奢ってあげよう!!!!」
と、言いつつもう走り出してしまった。フライングでは無かろうかとクララはゴコク様にお土産であげようと道中拾った良い感じの枝を握り締めてそう思いながら隣の断層を見ている兄を見た
「クララ」
「なぁにお兄ちゃん」
断層を興味深げに見ていた筈の兄は自分にキャップ帽を渡して、何故か軽めの柔軟体操を始めていた
「お前何が良い、アイス」
「……パ○ムかなぁ…いちごの…」
「そうか、俺は…ハー○ンダ○ツのミルクティーにするかな。…暑いからお前はやんなくて良いぞ、ゆっくり来い」
「はぁい」
まぁそもそもテンションハイに笑いながら走り行くウツシをそのまま見送った時点でクララに炎天下の中競争する気は起きなかったのだが、隣にいた兄はそう言うと、ダッッ!っと凄い勢いで走っていく
「え、ちょ、アハハ!!クラウス速っ!!!!え、待って!待って君どんだけ健脚なの!!!?」
「悠長に後ろ向きながら走って良いのか???ハハ、ほらもう追い付くぞ!絶 対 に 奢 ら せ て や る か ら な!!!」
「いや速いって!!!いや元々奢る気でいたけども!!!それとは別に俺にも意地があるから負けたくない!!!!」
「ハハハハ精々逃げ惑え逃げ切れるモンならなぁ!!?」
「ァ"ア"ァ"ア"!!!!」
晴れ渡った島の片隅にアラサー男性達の断末魔と高笑いがBGMの様に響き渡る
「おとこの人って…競争好きだよね、元気だなぁ」
目に痛い程の光に目を細めながら、そう思った