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    TLでみかけた攻めが受けに「俺の顔好きだろ?」って聞くやつが妙に刺さったので、萌えが熱々な打ちに勢いで打ち込みました。
    推敲まるでしてないのでそのスピード感だけ感じて貰えたら嬉しいやつ。

    これまでにポイポイしたやつとかにスタンプとかリアクションありがとうございますー!ストーリー仕立てのとかあって見ていて楽しいです!

    #まなんちょ
    southSideBook

    顔が好きか否か「委員長さー、オレの顔好き?」

     金曜日の放課後の教室、幼なじみの問題児が突然そんなのこを言うものだから、宮原は取り敢えず顔をしかめて見せることにした。
     一体全体誰に何を吹き込まれたやら。

    「馬鹿なこと言ってないで手を進めなさいよ」
    「えー、答えてくれないんだぁ」

     そうは言いつつ顔は嬉しそうに笑っているのはなんなのか。

    「さんがくの顔なんて、こどもの頃からずっとみてるもの。さんがくの顔だなっていう感想しかないわよもう」

     嘘だけど。
     もしもこれを去年の自分が聞いたら真波からのアプローチかも? なんて、はしゃいでしまったかもしれないけど、高校二年生になった宮原はもうなんか、そういう甘酸っぱい駆け引きなんて空想の世界のものでしかないことを理解してしまっている。
     だって、さんがくだし。
     すべてはその一言で片付けてしまえるのだから、本当この恋は前途多難だ。
     ……叶うなんて、もう、考えられないけど。

    「じゃあさ、委員長の好みの顔ってどんな?」
    「随分食い下がるのね、プリントやる気がないなら私もう帰るけど」
    「あ、じゃあオレの部屋でやる? どうせ一緒に帰るんだしそっちの方が委員長も楽じゃない?」
    「自転車通学がなに言ってるのよ」

     本当に帰ってやろうかと、自分の勉強道具を片付けだした宮原に、真波は焦るでもなく待って待ってと呼び止める。

    「実は昨日部活の先輩にさ、オレ、顔がいいらしいからどんな女の子も顔を好きになってくれるって言われて」
    「……呆れた、仮にそうだとしても誰彼構わず聞いて回るのはどうかと思うわ、うっかり勘違いでもされたらどうするのよ」

     いまでもファンクラブなるものがあるというのに、まあ、自分には? 関係ないけど?

    「誰彼かまわずなんて聞くわけないじゃない。委員長にしか言わないし聞かないよ」

     答えつつ真波がプリントにシャープペンを走らせるものだから、宮原も帰り支度は一旦やめることにした。
     二年生になってからはプリントから逃げる頻度も減ったし、現状片付けなければならないプリントも真波が取り組んでる一枚だけ。
     このペースなら今日で一段落つけることが出来そうだ。

    「……できたー」

     じっと進捗を見守っていれば、シャープペンを転がした真波が大きく伸びをする。
     外はすっかりと暗くなっているけれど、直近のバスまでは多少の余裕があるので職員室に急がず寄っても問題ないだろう。

    「お疲れさま、じゃあ私これ職員室に置いてそのまま帰るからさんがくも家まで気をつけて帰りなさいよ」
    「え、委員長……」

     プリントの端を揃えて自分の荷物を持った宮原は、そのまま早足で教室入り口に立つと、ちょっと悩んでから視線を真波に向けないまま振り返った。

    「普段のさんがくの顔は、まあ、そこそこ見慣れてるけど? でも、試合に向かうときの勝負するぞって顔は、まあ、格好いいと言えなくも、ないんじゃないの?」

     髪の毛の先をいじくりながらそれだけを告げて、返事も聞かずに廊下へ駆け出た。
     恥ずかしい、言うんじゃなかった。
     でも、プリント頑張ってるし、そのくらいは言ってもいいかなと思っちゃったんだもの。
     明日から休みだし、そんな深い意味を真波が考えるはずもない。
     だから、いやでもやはりちょっと、かなり、恥ずかしい。
     自分の思考にいっぱいいっぱいだった宮原は、自分が立ち去った後の教室で真波がやっぱり委員長、委員長だなー。なんて、ひとり笑みをこぼしていたことを知らない。

     職員室前で気持ちを落ち着けて、ちょっとの誇らしさと後悔を抱えつつ到着したバス停で、自転車の入った袋を担いだ幼なじみに待ち伏せされることも。
     まだ、知らない。
     
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    ktgn_pdl

    DOODLE2017年1月にあったペダル女子プチの記念アンソロさんに寄稿した
    やつです。
    まなんちょ坂綾今幹(女子からの片想い程度や香る程度の)要素があります。

    女の子のプチオンリーが嬉しくて嬉しくて大喜びで女子たくさん書くぞと意気込んだ記憶があります。
    ペダル十年くらい早めにアニメ化してたらアニメオリジナルで女子回とかやってくれそうだなってふと思いました。
     年が明けて間もない冬休みのある日、両親とともに親戚の家へ挨拶にやってきたもののすぐに大人たちはお酒を飲み交わし騒ぐことに夢中になってしまい、手持ち無沙汰にな宮原はなんとはなしに出かけた散歩の途中ぴたりとその足を止めた。
    「サイクルショップ……」
     木製の看板が可愛らしいそのお店は住宅地の中にあってあまり大きくはないけれど、展示されている自転車は彼女の幼なじみが乗っているものとよく似たデザインだったので。
     思わず覗き込めば自転車乗りと思しき人と、店員さんらしき人が談笑しているようで雰囲気も悪くなかった。
    「……」
     ちょっとだけ、入ってみようかしら。
     心の内で呟いてみる。
     べっ、別に他意はないけど? お年玉もらったばっかりで懐暖かいし? 二学期の終業式に先生からこの調子で行けば進学出来るって言われたからお祝いっていうかご褒美っていうか。
    5451

    ktgn_pdl

    DOODLE真波くんは一揉みもしてません!!!!!
    タイムアタックだったので推敲してないので色々だめかもしれない。実質ワンライみたいなものですよろしくお願いします。
    ひっどいタイトルと中身の差がすごいし色々二人の会話を思い出したくて2年時IH決勝のふたりのやり取り読み返してたらどんどん趣旨がそれました!
    高校三年生の付き合ってる時空まなんちょです。
    いいおっぱいの日に乗っかりたかったけど乗れなかった「委員長ー、ねえ、委員長ーー」
     帰宅して宿題をこなし、愛鳥がもう休むので籠に大きめな布をかけてやったタイミングで、外からそんな声が聞こえてきた。
     誰かなんて聞かなくてもわかるけれど、隣家の窓越しに呼ばれているにしては大分近い声に、まさかとカーテンを開けばガラスのすぐ外に幼なじみの姿があった。
    「ちょっと窓から出入りするのやめなさいって前から言ってるじゃない。落ちたらどうすんのよ!」
     からりと引き戸を開けてやれば、全然反省していない笑顔がごめーんと言う。
    「今日がいいおっぱいの日だって聞いたら、委員長に会わなきゃって思って」
    「……?」
     一瞬真波がなにを言っているのかわからなくて、宮原は沈黙する。
     聞き間違いかもしれない。
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