幼少期、カグラギと会う話「どうしたんですか?」
コーカサスカブト城に連れてこられたカグラギは背後から声を掛けられた。振り向けば、大人しそうな少女がカグラギを見ている。
「迷ってしまって」
「……ディボウスキの方、ですか?」
「ええ。母に連れられて」
「なら、次期国王様ですね」
服装から判断したのか。カグラギはトウフの民だ。服装を見ればシュゴッダムの人間ではないことは直ぐに分かる。トウフ国は女王が収めている。
一つ一つ、少女は情報を判断していた。
少女はコーカサスオオカブト城には似つかわしくないふわりとした雰囲気をしていた。
「将来はそうなりますな」
「謁見室はこちらです。女王様はそちらにいるかと」
カグラギを案内してくれるらしい。
「この城は大きい」
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